調査と費用
初めに
調査と言うものは、相当に費用が掛かります。
弁護士と言う業務は、証拠で主張を証明していくものですし、証拠は裁判所で証明するに足るものでなくてはならないので、相当には正確性のある根拠が必要です。
また、弁護士自身も事業者なので、業務の進捗に当たり、事務所の運営方針などを検討するのに、調査が必要です。
ですので、各種調査機関をしばしば使うことがあります。
具体例
しかし、この調査機関と言うものは、結構費用が掛かります。
例えば興信所での尾行
冷静に考えれば、2人程度の人に深夜も含めて24時間見張らせるわけですから、8時間交代としても延べ人数は6人。
深夜の割増賃金や危険、専門性を配慮を考えれば、人件費だけで相当にかかっても、おかしくはありません。
さらに報告書の作成や諸経費を検討すれば、1日数十万になることもやむを得ないと言えばやむを得ないでしょう。
あるいは医師の診断書の翻訳と意見書の作成
専門用語を確認し約したうえで、医師が専門的視点から、自己の責任で対外的に提出する意見書を書くので、相当の費用が掛かります。
これも会社次第ですが、数十万は見ておく必要があります。
交通事故とか認知症の確認、医療事故などの場面で必要な場合があります。
不動産鑑定士の鑑定
現地も出張、確認調査し、関係する役所への確認などもして、数十ページの報告書が出ます。
これも専門職であり、相当の時間と手間をかけて行うので、やはり数十万、広い土地だと百万以上と言うこともあります。
統計調査
最近はネット調査と言うものもあり、比較的安価なものもありますが(それでも調査母体を、それなりの数にすれば数十万はかかります)、実地調査や、調査のための事前調査を踏んでの2段階での調査、調査後の分析も含む以来となれば、やはり数十万はかかります。
騒音、臭気調査
騒音や臭気についても専門の調査機関があります。
特殊な機械の設置から、測定を行ってくれます。
この手の調査は、ある程度時間をかけないと正確な測定ができないですから、これにも相当に費用が掛かることが多いです。
しかし、自分で騒音計を見てメモしたのとは、やはり精度や信用性が変わってくるでしょう。
その他
非公開株の評価額の計算などの依頼を税理士や公認会計士に頼む時も、相当の費用が掛かります。
あまり民事ではないように思いますが、事故の再現記録の作成などもあります。
まとめ
依頼者の方とすれば、どうしてもメインの訴訟での主張に費用が掛かることは覚悟していても、それに関連して必要な証拠収集の費用まで相当にかかるとなると、躊躇されることも多いです。
時には弁護士費用よりかかることもあります。
しかし、事案によっては、これが勝敗を分ける必須の資料のこともあります。
時にはより安価簡易な査定で足りることもありますが、場合によっては、訴訟では、そういう費用もかかることを頭に置いておかれるのが良いでしょう。
難しいのは、調査やテストの場合、お金をかけたから有利な結果が出るというわけではないところですが。