2016.03.24

なんとなくの雑談5

なんとなくの雑談5

雑談5

弁護士としての思うところ、雑談をまとめています。

弁護士選びの基準の一つになればと考えております。

過去の記載はこちら

皆さんのおかげで

経験しないと、わからないことがあります。

多くは感情的な面で、理屈は分かっても、なかなか実体験がないと、実感としてわからないことがあります。

 

広告やコマーシャルで、「皆さんのおかげで・・・」という記載をしばしば見ます。

良く聞くセリフで、ただの広告文句だと思っていました。

 

しかし実際に、1年2年と仕事をしてきて、4年5年と大きな問題もなく、あさがお法律事務所をやってこれたのを振り返ると、心から「皆さんのおかげ」と思うものです。

自分が経験してみると、実際に心の底から思えるものだと驚いております。

この「皆さん」は、依頼者の方々、相談者の方々、ご指導してくださった先輩弁護士の方々、裁判所の人や事務所の事務員さん、そして友人や家族など、自分の周囲にいる人みんなです。

支援してくれた人、指示してくれえた人はもちろん、敵対した人や対立した人でさえ、今から思えば、感謝の対象です。

 

人それぞれ

家のサボテンを、肥料を十分に混ぜた肥沃で、きめの細かい、しっとりした土(一般的にいい土かと思います)に植えて置いたら、どんどん枯れてきました。

慌てて抜いて、以前から使い古した栄養分が低く、砂利混じりの、乾いた土に植えなおしたところ、持ち直してきました。

適した環境というものは、植物の種類によりけりです。

 

人や会社もそうです。

何が一番良いか、その人の人生、その会社の在り方ですので、その当事者でなければわからないところがあります。

弁護士をはじめ法曹というものは、アドバイスをするにあたり、どうしても自分の正義感や自分の生きがい、自分の選択を出しそうになります。

しかし、それでは行けません。

 

依頼者にはその依頼者だけがわかる一番適した選択があります。

それを尊重して進めるのが私どもの弁護方針です。

 

 

仕事での思いやり

法律上の業務において、一生懸命出来る限り対応していく、それは弁護士として当然のことです。

私の知る限り、どの弁護士でも、やり方こそ違え、皆さん、依頼者の方への法的対応は、全力でされています。

 

私が弁護士として活動して行く中で、最近、強く感じるようになってきたのは、それらの法律面を離れた対応についても、大切にしなければならないということです。

弁護士は法律家として依頼を受けるのですから、そこでの業務の満足に意識の大部分が向くのが通常です。

しかし、それらの法的な面を離れて、ちょっとした親切、ちょっとした思いやり、それが依頼者をリラックスさせ、依頼者の方とのより深い信頼の構築が可能ということに気付くようになりました。

 

弁護士は法律家として、依頼者に対応します。

しかし、依頼者も弁護士も、法律家である前に人なのですから、法律を離れた思いやりや意識が大切な面もあります。

仕事自体の完成度はもちろん、人としての良い関係の構築、そういう面も大切にしていくことを、私は意識していきたいと考えております。

 

 

一見の依頼者

弁護士業界の慣行には、外部から見て、よく理解できないものもあります。

そういう慣行については、私自身、納得いかなければ、あさがお法律事務所には取り入れていません。

しかし、長く弁護士事務所をやっていると、当初は納得いかず、取り入れなかったものでも、実際に理由が見えてくるものもあります。

 

そのうちの一つが、紹介の無い飛び込みの依頼は断るというものがあります。

あさがお法律事務所は飛び込みの依頼も受けておりますし、今後も受けていくつもりです。

しかし、過去には不合理と思えた、この制度の合理的な理由が見えてくるようになりました。

 

弁護士は紛争に介入する職業です。

このため、会う人が、敵と味方に別れます。

その中で、「トラブルメーカーや悪質な人などの味方はしたくない、むしろ、嫌われてもよい」あさがお法律事務所ではそう考えております。

ところが、そういう問題のある人たちかどうかは、なかなか一見してはわかりません。

そこで、そういうリスクを避けるために、「紹介の依頼しか受けない」という事務所運営にも一定の合理性があると最近は思うようになりました。

 

しかし、私どもは一見の依頼者の方でも受けております。

実際に、飛び込みで来られた方で、「こういう人とお知り合いになれてよかった」と思える相談者の方や依頼者の方はたくさん居ます。

では、どうやって、問題がある人ではないか見分けているかというと、相談時間を無制限にすることで、時間をかけて、じっくり話を聞いて、じっくり証拠を確認することで、判断しております。

まあ、実際には、私はホームページやブログで、散々悪人の依頼は受けませんと書いているので、最近は問題のある人は来ませんが。

 

反省したこと

先日のことです。

裁判所で和解期日を開くことになりました。

和解期日では、原告と被告で、別々に交互に裁判官が待機する部屋に入って、話を進めることがあります。

 

その日も、そういう手続きでした。

で、私が裁判官と話を終わったので、相手に交代の声をかけに行くことになりました。

この時に、私が声をかけに行く前に、裁判官の側に座っていた裁判所の若い人が、すっと立ち上がって、相手に声をかけに行きました。

私は、いつもなら「私が呼びに行きますので待っていてください」というのですが、少し疲れていたのもあり、なんとなく「裁判所の人が呼んでくれるなら、まあいいか」と思い、部屋の外に出て、廊下の椅子に座ってました。

 

その後、相手が話している間、廊下で待っていたのですが、その間の裁判所の人たちの会話で、私の代わりに、相手を呼びに行ったその若い人も裁判官であることに気づきました。

で、その瞬間、「しまった。裁判官に相手を呼びに行かせてしまった。」と思ってしまいました。

「自分が呼びに行けばよかった、裁判所の印象が・・・」などとも思いました。

 

で、次の瞬間、もっと後悔しました。

私、「この人なら気を使うけれども、この人ならば別にいいか」という発想が好きではないです。

良く話してもいないのに、あの人はどうとか、この人はどうとかで、肩書や見た目、その他の表面的なところで人付き合いするの人が嫌です。

その一人一人の言動から、トラブルメーカーだとか、嫌みな人などは避けることはありますが、肩書などでは対応を変えないように心がけています。

 

しかし、その日、私は見た目の若さや肩書で相手への対応を心の中で変えていたようです。

口には出さなくても、こういう少しの姿勢は、相手や周囲の人に間違いなく伝わります。

私自身も、軽く見られて、嫌な思いをしたことはあります。

だから、自分は人をそういう風に人は見まいと思っていたのですが・・・。

 

判断の基準

法律問題についてわからないところは、書籍を参考に、判例を調べ、条文を調べて検討します。

資料なども時間をかけて揃えます。

 

他の人に意見を聞くこともありますが、口頭での発言は、ネット情報以上にあやふやなものですから、あまり用いません。

後日に、そのアドバイスに疑義があっても、「言ってない」とか「ニュアンスが違う」と言われればそれまでですし、そもそも弁護士として私の責任で回答する以上「他の人が言ってたから」などは回答理由にもなるわけがありませんので。

ただ、そのまま言動を参考にはしませんが、それをヒントに書籍を購入したり、検索したりしますので、アドバイスには相当に助かっておりますし感謝もしております。

なんか一言アドバイス貰えるだけで、精神的に楽になることもありますし。

 

そうやって自分なりに調べるのですが、それでも判断に迷うことはあります。

迷うのは、いろんな法律論がある場合、時間をかければ検討できるが、今、決断しなければならない場合などがあります。

で、その場合にどう検討・判断するかですが、

私は、その判断に至った事情を、すべて社会全体に公表したとして(実際にするわけではないですよ)、はたしてそれを社会が認めるかどうかを基準にします。

弁護士の場合、社会全体が有罪と言っている冤罪の人を救済しなければならないという職務もあるので、単純に社会の多数派の話にはできないこともありますが、判断の一つの基準として、社会全体にどうみられるかという視点での検討を忘れないようにしております。

 

司法試験の問題

最近、着る服がどれも縮んでいます。

妻に、「服が全部、縮んでいるんだけど」というと、妻から「全部縮んでいる時は、あなたの方が太ったって言うの」と返されてしまいました。

 

夫婦の間の体形の話だと、笑い話ですが、実際に、こういうことは世間にあります。

10人の人が「黒い」と言っているのに、1人「白い、周りが間違えている」といって、争いが起きることです。

で、その場合、常に周りの10人の「黒い」が正しければよいのですが、必ずしもそうでない場合もあります。

 

弁護士は、この多数の意見に配慮しながらも、それに固執せずに正しい意見を検討し、見つけることが仕事です。

司法試験は(特に憲法は)、多数の社会常識は考慮しながら、同時に少数であっても不可侵で守られるべき権利を保護し、その両者の調整を図る能力を試される試験でもあります。

ちなみに司法試験を六法を覚える試験と考えている方にしばしば会いますが、実際にはそうではありません。

 

西宮のあさがお法律事務所

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