製造物責任法(PL法)とは

法律(その他一般)

当事務所は中小企業の顧問契約を中心に活動しております。

大阪神戸間には、尼崎など中小企業の数が多い地域が含まれており、また事務所のある沿線には東大阪のように町工場の多い地域も含まれております。

このために多数の会社に顧問契約を利用していただいております。

その中で、しばしばPL法のご相談を受けます。

PL法とは、以下のような内容についての法律です。

(目的)
第一条 この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

通常は、物が壊れていれば、「その物の代金を弁償してくれ」とは言えても、その物の故障からさらに拡大して生じたケガについては責任追及が困難です。

理論上は、不法行為の規定での責任追及は不可能では無いですが、そのためには、様々な要件があり、その立証が難しいことが多いのです。

製造物責任法は、そのあたりを「被害にあった方の保護を図る」ために定められた、不法行為の特則的な位置づけの法律です。

(定義)
第二条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。
2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。

「製造又は加工された動産」とあることからわかるように、文言をそのままとらえるとこの法律の対象は「動産」です。ソフトウェアやノウハウそのもの自体、不動産、製造加工されてない自然物は含まないと考えるべきです。

(なお、「不動産」は、そもそも民法717条で広く重い責任が生じることが民法で法定されています)

通常有すべき安全性ですが、ここで注意すべきなのは、この安全性はその物だけで判断されるわけではありません。

説明書や注意事項の記載も考慮されます。

よって、危険な製品なのに、それについての注意書きが杜撰であれば、責任が生じることがあります。

その内容については、裁判所のこれまでの判例、通産省の表示、取扱説明書適正化委員会が平成6年10月に発表した「消費生活用品の取扱説明書の あり方」や、平成7年2月に発表した「消費生活用品の警告表示のあり方」がガイドラインを参考にすべきでしょう。

(製造物責任)
第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。

3条には製造物責任が定めてあります。

その物に欠陥があり、それにより拡大して生じた損害についての責任を、メーカー等は負担するというものです。

但書では、その物自体の修理代とかは含まない旨を記載されています。

これは普通に買ったものが壊れていれば、その修理代金は、民法の契約に関する規定で請求できるからです。

(免責事由)
第四条 前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。
一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
二 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと。

上記1号の通り、当時の技術で知りえないことは免責されます。

2号は、例えば元請が下請けに指示をして、下請が指示通りに対応したならば、過失がない限りは、その下請は責任を負わないということです。

誤解を恐れず端的に言えば、達成不可能な安全性まで求められるわけでは無いということです。

(民法の適用)
第六条 製造物の欠陥による製造業者等の損害賠償の責任については、この法律の規定によるほか、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による。
本法は民法の特則ですので、規定が無いことは民法にしたがうことになります。
おおよその概要は説明してきましたが、いかがでしょうか。
PL法については高額の訴訟事案もあります。気になれば、事前に弁護士に相談することを、お勧めします。