弁護士事務所にとって大事なもの
初めに
法律論、経理上の概念とは少し違いますが、弁護士事務所の主要な財産は、「人」ではないかと思っております。
弁護士事務所には高価な機械も資材もありません。優れた商品もありません。あるのは人と、その人同士の繋がりです。
弁護士事務所にとっての財産といえる「人」は3つに分かれます。
このなかで、一番大切なのは、依頼者の方とのつながりであると思います。
依頼者の方との関係
法律上の業務において、一生懸命出来る限り対応していく、それは弁護士として当然のことです。
私の知る限り、どの弁護士でも、やり方こそ違え、皆さん、依頼者の方への法的対応は、全力でされています。
私が心がけているのは、それらの法律面を離れた対応についても、大切にしなければならないということです。
弁護士は法律家として依頼を受けるのですから、そこでの業務の満足に意識の大部分が向くのが通常です。
しかし、それらの法的な面を離れて、ちょっとした親切、ちょっとした思いやり、それが依頼者をリラックスさせ、依頼者の方とのより深い信頼の構築が可能ということに気付くようになりました。
仕事自体の完成度はもちろん、人としての良い関係の構築、そういう面も大切にしていくことを、私は意識していきたいと考えております。
弁護士事務所には、機械類や特許技術、収益不動産のような資産があるわけではありませんので、価値があるものは、人自身と、人と人とのつながりと言ったものになるかと思います。
弁護士事務所を長く続けることで積みあがっていくのは、人と人のつながりでしょう。
私は、裁判で、誠実に正直に対応することを、よくブログにも書いております。
その理由はいくつもありますが、一つの理由として、よりよい人のつながりを作りたいというものがあります。
正直に誠実に訴訟対応すれば、「正直な弁護士で誠実に対応してくれた」という噂が広がり、正直に誠実な対応を期待する依頼者の繋がりが増えていきます。
まとめ
弁護士事務所にとって、人のつながりというのは、一番大きな財産です。
そして、その財産の中身が、正直で誠実な人のつながりなのか、勝てば何をしてもよいという人のつながりなのかは、大きな違いです。
私は、弁護士として、正直で誠実な人のつながりを大切にしたいと考えております。
それはいきなりできるものではありません。
毎年、毎日、少しずつの人との関係を築き上げていくことでできるものです。