よくある質問

労働問題

紛争調整委員会によるあっせんとはなんですか
都道府県労働局によるものです。

当事者だけでされることもありますが、弁護士が介入して対応することもあります。

あくまで、相互にあっせん案に合意しなければ成立しませんので、必ずしも解決できるとは限りませんが、費用が掛からず迅速であるという特徴があります。
労働審判とはなんですか
労働審判(ろうどうしんぱん)は、労働者と事業主との間で起きた労働問題を労働審判官(裁判官)1名と労働審判員2名が審理し、解決を図る裁判所の手続きで、平成18年4月から始まった制度です。

原則は3回の期日で解決まで話を進めますので、早期の解決(それでも2-3か月はかかりますが)が可能なところに特徴があります。
弁護士が依頼を受けて介入して対応することも多いです。

この段階で、ある程度書証なども出しますし、証拠の主要な部分が開示されれば、弁護士であれば見通しもみえるところがあります。
ですので、最終は審判決定もされますし、異議があれば訴訟に移行できますが、実際には和解で終わることが相当に多い(約80パーセントとされています(平成23年統計))ものです。
労働事件で感じることはありますか
相互に極端な主張が多く、著名判例には極端なものもあります。
が、実際にはある程度の和解で常識的解決を図ることが多い事例であると思います。
ある程度見通しを検討しながら、和解の通しどころを探すので、それなりに経験が必要な分野かと思います。
銀座のママは労働者か
「売上の60%が報酬で、出退勤が自由な仕事なら労働者でない」と判示したようです。

出退勤の自由と、給料が売り上げのパーセンテージなところがポイントですね。
そのような場合は業務委託になりやすいです。
懲戒処分をすると訴えられそうで怖いのですが。
セクハラを理由に懲戒処分を下されたことについて、妥当との判決があります。

「セクハラ発言は職場環境を害し、従業員の意欲を低下させる。懲戒処分が社会通念に反するとはいえない」ということで,事前の戒告なく「30日間と10日間の出勤停止」「降格」が妥当とされました。

労働者側の訴訟を恐れて、企業も厳しい措置を取りにくい時がありますが、適切な懲戒ならば問題ありません。
労働契約書って何を書けばよいでしょうか。
一般的に使っている書式(A4一枚の表になっているもので皆さんも見たことはあると思います)があるので、それを使えば、問題なく雇用契約は結べます。
しかし、これだけではなんですので、以下条文根拠をあげます。

労働基準法 第十四条 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(略)を超える期間について締結してはならない。






この契約書ですが、記載することが法定されています。


労働基準法 第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。


そして、労働基準法施行規則 5条で、その細目が定められています。


「記載が必要なもの」
一 労働契約の期間に関する事項
一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働
者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算
及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)


「あれば記載が必要なもの(無ければ不要)」
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並び
に退職手当の支払の時期に関する事項
五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃
金額に関する事項
六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
七 安全及び衛生に関する事項
八 職業訓練に関する事項
九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
十 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項


なお、当然ですが、各規定は法律の範囲内でなければなりません(最低賃金法など)。






労働契約のあるべき内容については労働契約法に定めがあります。


その基本原則としては、以下の内容です。


労働契約法 第三条 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。
2 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
3 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
4 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。
5 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。


出向(14条)や解雇(16条)などについても、この労働契約法に定めがあります。


なお、一度定まった労働契約も不変のものでは無く、労使間の個別の合意で変更は可能です。


また、個別の合意が無くても、以下の通り、一定の要件下では就業規則の変更で、労働条件を変更できます。


労働契約法 第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。

あさがお法律事務所

あさがお法律事務所が、相談時に依頼するように強く勧めないのはなぜですか
①法律相談は、解決方法をお伝えする時間で、そのために費用を頂戴しており、弁護士側の営業活動の時間ではないこと
②多額の費用が必要なもので、相談者の方に焦って契約していただきたくないこと
からです。
当事務所では、原則、見積もりを一度お持ち帰りいただき、ご検討いただいたうえで、契約するようにしております。
あさがお法律事務所の場所は、どこですか。
阪急阪神今津駅の北側、タクシーターミナルをはさんだ向かいです。
阪神電車側の改札を出て、コンコースを歩いて、右側の窓から見えます。
「あさがお法律事務所」の得意分野は何ですか?
法人では、企業法務一般(中小企業が中心です。ほぼあらゆる業界に顧問先があります)と債権回収などです。
個人では、借金問題、債権回収、相続関連などの相談を受けることが多いです。

他に交通事故などや後見の相談もしばしば相談を受けます。労働事件も多いですね
西宮の住宅地内になる弁護士事務所で、阪神圏の依頼を広く扱って10年以上になりますから、いわゆる弁護士の仕事は刑事事件 行政事件を除いて一通りできます。

それに加えて一般的な会社関係も強いと考えていただければと思います
(刑事事件や税務事件、行政事件、少年事件などは講師としての依頼を除き取り扱っておりません。)
あさがお法律事務所で、費用はどれくらいかかりますか?
着手金と必要経費(印紙代や切手代)、遠方の場合は出張経費が必要です。事件解決時には成功報酬を頂きます。
事情を聴いたうえで見積もりを明示いたします(口頭やメールが多いですが、書面でもお出しできます)。

見積もり後、契約までに時間をお取りするようにしております。
じっくり考慮していただく時間です。ご安心ください。
弁護士に会うというだけで緊張するんですけど・・・
あさがお法律事務所においては、まったく心配ご無用です。

幸いなことに、今まで来られた依頼者の方で、最後まで落ち着いて相談できなかった方は居られません。

「(相手を威圧するために)もっと怖い方がいい」とおっしゃる方も時折いますが、残念ですが、それはできません。
相手方に対しても委縮させて思い通りにするのでなく、正々堂々と主張し、冷静に証拠を提示して、あなたに有利な結論をお持ちするのが、私の業務スタンスです。
ホームページ上、あさがお法律事務所で取り扱っているのかどうか、わからない事件があるのですが・・・。
とりあえず、ご足労頂く前に、ご連絡ください。

対応していない場合は、その旨お伝えします。

メールでのお問い合わせも歓迎します(具体的な事件に踏み込んでは回答できません)
裁判とはどのような形で進んでいくのでしょうか?
民事裁判は書面と証拠のやり取りです。

最初は原告が訴状を被告がそれに対する回答(答弁書)を、次にお互いの言い分が違うところについて書面を出し合って進んでいきます。
法律相談は時間無制限なんですね。
はい。

じっくり、納得いくまで、ご相談ください。

多角的な検討は弁護士にとっても利益です。遠慮なくご相談ください。

とは言っても、次の予約の方との関係で、1時間程度までになることがあります。

相談が長くなりそうな方は、予めおっしゃってください。

ゆっくり時間をお取りしておきます。



なお、過払い金返還請求や破産関連の方は無料で対応させていただいております。

また、法テラスの収入基準以下の方は、法テラスを利用しての無料法律相談(3回まで)を当事務所で受けることが出来ます。
どんな弁護士、どんな方針の法律事務所ですか。
詳細は当サイトの弁護士紹介をご覧ください。
また、当サイトのブログの「業務方針」や「弁護士の考え」「雑記」などのページでは、よりプライベートな日常の業務の感想なども記載しております。
弁護士を選ぶ際の一助になればと考えております。

相続関係

遺産って、どのように分けたらいいのでしょうか?
遺言書が無く、分割協議で全員が合意出来るのならどのように分けても構いません。

法定相続分を目安にしながら、相互の生活なども考え調整すればよいでしょう。
長男として位牌とかお墓だけでも受け取りたいのですが、相続財産として分けなければならないのでしょうか?
位牌やお墓は相続財産にあたりません(民897条)

誰が管理していくかは慣習で決まります。慣習も被相続人の指定も無いときは、家庭裁判所が決めます。

長男が受け継ぐ慣習があるのであれば、あなたが受け継ぐことになるでしょう。
分割協議がまとまったのに、合意していた人が態度を変えて家の登記が移せなくなりました。どうしたらよいでしょうか?
成立した遺産分割協議書があれば、家庭裁判所でそれに協力しない相続人に代わる証明を出して貰いそれに基づいて名義が移せます。
相続って、普通どうなりますか(法定相続分って誰にどれくらいですか)
・配偶者と子供が相続人である場合

 配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2


・配偶者と直系尊属が相続人である場合

 配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3


・配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合

 配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4


・なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、それぞれは均等に分けます。

(民法887、889、890、900、907)
調停での手続きはどういうものですか
調停は、申立用紙と印紙、切手、その事件についての必要書類(戸籍など)を添付して、裁判所に申し込みます。

基本的には裁判所での話し合いです。


ただ、そこで話がつかない場合は、強制力はありませんので、話は終わってしまい、別に裁判か審判が必要となります。 調停は、話合いですので、弁護士をつけなくても個人の方でも可能です。


もっとも、事後に裁判になることを見据えての交渉や証拠の提出が必要ですので、弁護士を付けた方が安心であることは多いでしょう。 争う金額などから、そのあたりは選択されるとよいと思います。


なお、申立は、相手の家庭裁判所(家事調停の場合)か、簡易裁判所(一般調停、特定調停の場合)です。簡易裁判所でも調停の場合は、金額の制限は無いです。
遺産分割まで何年かかりますか
戸籍をとり財産の状況を調べ、それから交渉ですし、ご本人が亡くなっているので特別受益の有無や寄与分については手探りで資料を探すことになるので相当に時間はかかります。
1年から2年くらいは見ておいた方がよいです。
最大では、5年以上かかっている事案もあります。
〇〇とは話すのも嫌です
弁護士に任せていただければ、調停、交渉、審判、訴訟と弁護士が対応します。
同席が必要な場合もゼロではないですが、その場合でも、直接に対話する必要はありません。
その他(財産をとられた場合、遺産の調査方法など)
本サイトの→ブログ→相続関係の各記載をご覧ください。
民法改正も踏まえて、より詳細に説明しております。
遺言執行者とは何ですか
遺言執行者とは、文字通り、遺言を執行し、その内容通りに財産を分配、その他遺言を実現する人を言います。
遺言書の内容にそって、相続人の代理人として相続財産を管理し名義変更などの各種の手続を行います。

権限
遺言執行者は、遺言執行のための全権限を持ちます(民法1012条)。
遺言執行に反する行為を相続人がしても無効です。
また、特に遺言執行者しかできない行為があります。「認知、推定相続人の廃除・取消など」

義務
遺言執行者は、強い権限を持ちますが、当然、それに伴う義務を負います。
善管注意義務を以って遺言執行の事務を処理する義務(民法1012条Ⅱ)
相続人から請求された時に事務処理の状況を報告する義務(民法1011条)

詳細は弁護士にご相談ください。
相続財産清算人とは何ですか
相続財産清算人は、相続人の居ない時(不明の時)に、家庭裁判所への申立てにより選任される人です。
相続財産を管理し、債務を清算します。
相続人全員が相続放棄をして,結果として相続する者がいなくなった場合に、それでも幾らかの財産が残っている時などにその処理のために選任されます。


具体的な対応
たとえば、1000万借金があり、300万円の土地と33万円の車がある場合、通常、赤字になるので皆さん相続放棄されるでしょう。
しかし、一応333万円分は財産があります。
こういう場合に、債権者が、全額でなくても333万円分でも相続財産から清算してほしいとして裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てます。
清算人は、土地と車を売って333万円を各債権者に分配します。
亡くなって3か月経過すれば相続放棄できないでしょうか。
そうではありません。

条文上、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」(民法915条)となっています。
「自己のために相続の開始があったことを知った時から」が3か月の計算の基準です。

知った時が基準です。

ですので、長年連絡のなかった親族で、亡くなったことを知らなかったと言うような場合、亡くなってから1年たっていても相続放棄は出来ます。
また、「自己のために相続の開始」ですから、先順位の相続人の放棄で相続人になったような場合は、先順位の人が放棄して自己が相続人になったと知ってから3か月です。
斜線が引かれた自筆遺言書は有効ですか
「本件のように赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は,その行為の有する一般的な意味に照らして,その遺言書の全体を不要のものとし,そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当であるから,その行為の効力について,一部の抹消の場合と同様に判断することはできない。

以上によれば,本件遺言書に故意に本件斜線を引く行為は,民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきであり,これによりAは本件遺言を撤回したものとみなされることになる。」

とされています。(H27/11/20 最高裁判例)
遺留分額請求って、相続人なら誰でもできるのでしょうか。言わなくても認められるものですか。
①当然に貰えません。
亡くなったことを知って1年以内に遺留分減殺請求を行わなければなりません。(民法1030条)
放置していてはもらえません。
私どもも、相続について依頼を受ければ、念のために遺留分減殺請求は早めにしておきます。
他の協議や調査が必要な場合は、金額が未定のままで遺留分減殺請求を行います。

②兄弟姉妹はありません
あくまで、親子や夫婦の相続の際の規定であり、兄弟姉妹ではありません。
これは、この規定が残された遺族の生活のためと言う一面があるからです。
例えば、家庭の預貯金を夫の前でしていた場合、夫が遺言で愛人に遺産を譲ると、妻は生活できなくなります。そこでそういう遺族の生活を保護するための規定が本規定です。
兄弟は通常は、その亡くなった人に扶養されているということは無いので、遺留分はありません。

遺留分は生前に放棄したり、排除できますか
生前でも放棄できます。
相続放棄は生前にはできませんが、遺留分の権利は生前に家庭裁判所で放棄できます。
ただし、自由ではありません。以下の通り、家庭裁判所が事情などから相当と考えて許可した場合のみ可能です。

第1043条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。


排除できますが、よほどの事情が必要です。
他に、被相続人側から、生前に遺留分を認めない、廃除という方法もあります。
遺留分すら与えるに値しないと見れる相手は、被相続人側から排除できます。
遺言でも排除できます。
特別受益とは何ですか
生前に、相続人の一人だけが財産を得ていた場合、相続時に調整する制度です。

民法第903条
1 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。


①まずは「共同相続人中」の誰かが受けた場合である必要があります。
それ以外の第三者が生前に贈与を受けた場合は問題になりません。
この「共同相続人」かどうかは、その受益を受けた時点で推定相続人かどうかを基準に判断されます。
これが限定されるのは、生きている間の贈与いっさいにすると無制限すぎるからとされています。

②次に「被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた」ことが問題になります。
特別受益は規定上認められる範囲は広いです。
ただ、場合によっては、数十年前の贈与を問題にすることになるので通帳の履歴を取り寄せたり、亡くなった人の様々な資料を集めて主張したりしますが、実際には立証が難しいこともあります。
生前に特定の人が不動産を譲り受けていたような場合など、大きな金額になることもあります。

③計算で戻す限界
2項で定められているのは、特別受益は、相続される遺産の範囲で計算の上で割合調整されるもので、「遺産を超えて、貰った財産を返せとは言えない」ということです。
ただし、遺留分を侵害されている場合は可能です。

④持ち戻しの免除
「持ち戻すことの免除の意思」があったと見れる場合は問題にしないことはあります。
これは明示の場合もありますが、多くは暗黙のもので、諸事情から推測されます。

⑤夫婦間の家の贈与

婚姻20年の夫婦間での贈与は、持ち戻しの免除の話があるとがあると推定されます。
つまり、遺産の前渡し的な性質としては検討されないということで、特別受益の適用がないと推定されます。
推定ですから反論も可能です。
なお、税務上も婚姻20年の夫婦では特別規定があります。
寄与分とは何ですか
第904条の2 1 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4 第二項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。

とされています。

要件は
①「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により」されたものである必要があります。

②次に「被相続人の財産の維持又は増加について」でなければなりません。
金銭的に評価でき、それが財産の増加や維持(介護費用が不要であったとか、被相続人に代わって事業を大きくしたとか)といえる労力である必要があります。

③さらに「特別の寄与をした」場合に限られます。
単に家族ならばするであろうお見舞いや対応程度では含みません。

それを超えて「特別」といえる場合のみが問題になります。
「認知症など判断力を欠く方がいた場合の遺産相続」はどうなりますか
認知症の人が相続人の時は、協議に参加して同意しても、有効に遺産分割協議を成立させることができません。

では、認知症の人がいた場合にはどうすべきか。
それは、判断力のない本人に代わって財産管理をする人、つまり「後見人」を立てて遺産分割協議を行う必要があります。
家庭裁判所にて、後見人を付してもらう申立をし、後見人が立てられたのちに、この後見人と遺産分割協議をしていくことになります。

では後見人が居れば問題はないか
後見人が近い親族の場合、その後見人が認知症の方と、相続においては利害が対立する立場であることがあります。
(この場合の利害対立とは、現実に対立していなくても、その立場から潜在的に権利が衝突する場合を含みます)
その場合は特別代理人の選任が必要です。

特別代理人をさらに立てるくらいならば、初めから弁護士などを後見人にしておけばよいという考えもありますが、後見人はいったん成立すると簡単に外せませんので、その相続が終わっても、ずっと後見報酬を払わないといけなくなるというデメリットがあります。
離婚したんですけど子は相続しますか。
遺言などがない限りは、離婚して自分に親権や監護権がなくても、相続はします。
父や母であることは変わらないからです。
相続って、どういう順番で何をすればよいですか
①まず、最初にすべきは、遺言の捜索です。
遺言があれば、たいていは遺産目録もついているので(ついてない場合や不備の場合もあります)、その後の調査が楽になります。
また、遺言がないままに話し合っても、遺言の記載によっては無駄に終わることもありますので、先に遺言を探すべきです。

②次に相続人の確定です。
相続を話し合うにしても、誰が話し合いの相手かを明確にしなければなりません。亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を取得し、相続人を明確にしましょう。

③さらに、遺産の確定です。
とりあえず、亡くなった時点での遺産を確定させます。
不動産は名寄帳で調べて登記簿を取得し(場所がわかっているなら登記簿だけでよいでしょう)、銀行には死亡時の残高証明か取引履歴を出してもらい、死亡時の額を確定させます。
保険会社や証券会社などにも連絡を入れて、積み立て状況を確認します。

すべて、ご本人がご存命の間は、開示してもらえませんが、ご本人が亡くなっており自分が相続人であることを証明すれば、単独でも開示してもらえます(ごく一部ですが、相続人全員揃わないと対応しない金融機関がある場合もあります)。
預貯金の使い込みや寄与分、特別受益や生前贈与などの特殊な問題はいったんおいて置き、まずは死亡時の財産確定に力を注ぎます。

④その後、特別受益や寄与分の確認、調査、主張となります。
その後、預貯金の使い込み、寄与分、特別受益、相続排除や遺留分、認知の問題、不動産の評価方法の決定などのイレギュラーな問題点を検討していくことになります。

この流れのどこかで、詰まれば、そこで弁護士を依頼する方が良いでしょう。



協議から調停へ

これらののちに遺産分割の協議に入ることになります。

協議は前記の確定した遺産相続人同士でされます。

他の親族配偶者の意見を聞いて協議するのは良いですが、あまり多人数で関係者が入りすぎると話がまとまらないこともあります。

協議で話がまとまれば遺産分割協議書を作成し、協力し合って、銀行の凍結解除、登記移転を行うことになるでしょう。

話がつかない場合は、調停手続きに進みます。

遺産分割の調停
相続時に遺産が無くなっている場合は、どうすればよいですか
これは細かく分かれます。

「第三者が、被相続人の生前、死亡後に取得した場合」
預かっているという場合・・・預託金の返還訴訟
借りたという場合(死亡後は、滅多にないでしょうが)・・・貸金返還請求訴訟
横領、その他不当に奪ったと言える場合・・・不法行為、不当利得返還請求訴訟

「相続人の一人が被相続人の生前に取得した場合」
貰った場合・・・遺産分割調停、審判(特別受益の主張)
預かっているという場合・・・遺産分割調停、審判(遺産としての主張)
借りたという場合・・・貸金返還請求訴訟(ただし、遺産分割調停内で話をする方が普通)
横領、その他不当に奪ったと言える場合・・・被相続人の不法行為、不当利得返還請求権の相続
知らない、取得していないなどという場合・・・遺産の範囲確定訴訟

「相続人の一人が被相続人の死亡後に取得した場合」
預かっているという場合・・・遺産分割調停、審判(遺産としての主張)
知らない、取得していないなどという場合・・・遺産の範囲確定訴訟
相続放棄、相続分の放棄はどう違うのですか
「相続放棄」
民法第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
とされています。
相続放棄は一切の債権債務を引き継がないと言うものですから、借金も財産も受け継ぎません。

「相続分(相続持ち分)の放棄」
相続分(相続持ち分)の放棄は、相続放棄と用語は似ていますが、その中身は違います。
相続分(相続持ち分)の放棄は、相続する持ち分を、他の相続人全員に対して放棄(実質は譲渡)するものです。
遺産の分配の仕方の一つです。「自分は遺産は、要らないから、他の親戚らで分けて。その代わり揉めごとには呼ばんといて」という手続きです。

ここで、勘違いしやすい重要なポイントがあります。
それは、債務(借金や支払い義務)は「相続分の放棄」が出来ないということです。
ですので、理論上は、自分の相続分を譲っても、相続した支払義務、借金だけは責任を負うことになります。
3か月の制限はありません。

遺産分割を無効にできますか
遺産分割協議に無効原因がある場合には、遺産分割協議無効確認訴訟が可能です。

無効確認ができるのは以下の場合です。
遺産分割では意思に基づいて協議処分するわけですから、意思に欠缺があるような場合など(意志無能力、錯誤など)は無効になります。

*意思の欠缺―内心の真意がない場合です。
詐欺脅迫など、意思表示に瑕疵がある場合は取り消せます。
*意思の瑕疵―動機の形成に問題があったり、意思表示が第三者に捻じ曲げられている場合
担保責任(民法第911条 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。)による解除が認められる場合にも、解除の意思表示を行った上で遺産分割協議無効確認訴訟を提起します。

あとは、相続人が欠いている遺産分割協議も無効になります。戸籍を調べればそういうことは無いですが、親族の記憶に頼ると無い話ではありません。(もっとも後述の通り、そういう遺産分割協議はあまりありませんが)

なお、分割協議での遺産の一部漏れなどの場合は、その一部を別途協議すればよいので、先行した遺産分割が無効になるわけではありません。
生活費などを引き出したいのですが、銀行口座が凍結されて困っています
「改正民法第909条の2
各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。」
という条文が出来ました。

記載はややこしいですが、端的に言えば、現在(令和2年12月)は「150万以下、法定相続分の3分の1」までは、遺産分割前でも銀行で引き出せるということです。
金額は法務省令で定まるものですから、時代の変遷に伴い、今後、変わる可能性があります。

事故

保険会社から○万円でどうですかと打診を受けたのですが、妥当でしょうか?
一般的に保険会社の提示は、裁判の相場や弁護士が入った交渉の相場より安いです。

それどころか、同じ人に対する打診でも、最初は安い額を提示してくることが多いです(応じなかったら、吊り上げる余地を置いての提示)。

最初の提示の段階で、安易に応じなくても良いでしょう。

なお、傷害の程度や事故の態様などに応じて、ある程度、裁判の相場は決まっております。提示額が適切かどうか、ご相談ください。
保険会社や加害者が一切の責任を負うと約束してくれました。間違いないですよね。
最初の事故後の連絡では、このような言動をとりながら、後日、言った覚えはないといわれることは大変多いです。

充分にご注意ください。相手は連日、損害金を値切る仕事をしているプロです。

交渉の際は、録音機を忘れずに、充分に注意して対応してください。
交通事故は、どの時点で相談や依頼をすればよいのでしょうか。
はっきりした金額が出せて、裁判を検討できるのは後遺症の確定後です。
しかし、証拠収集や資料収集、証言を確保するのは、事件から早ければ早いほどよいです。

ですので、依頼するかどうかはともかく、早い段階で、法律相談はされたほうが良いのではないかと思われます。

相手は、交渉のプロですので、安易に相手の話に乗せられないことが大切です。
相談には何をもっていけばよいですか
事故証明、後遺症診断書、その他事故の状況や被害状況がわかるもの、これまでの保険会社からの書類などをお持ちください。
なお、とりあえずの相談では、すべて揃える必要はありません。
LAC 弁護士特約に対応していますか
弁護士特約での事件処理には対応しております。
しかし、保険会社の提携弁護士名簿には名前を載せておりませんので、保険会社を通じての紹介には対応しておりません。

事務所に来て、弁護士特約を使いたいとおっしゃっていただければ、対応します。
もっとも、弁護士特約の費用では費用の一部が不足する場合はあります。
そういう可能性が生じる場合は、事前にお伝えします。
交通事故以外の事故、損害賠償も取り扱っていますか。
対応しております。
交通事故以外にも一般民事不法行為事件全般に対応しております。
まずはご相談ください。
事故に関してどのような調査が可能ですか。
興信所を通じての調査、医師の診断書の翻訳と意見書の作成、騒音、臭気調査など事案を通じての調査を検討できます。
当事務所を通じても可能ですし、ご自身で探されたうえでの対応も可能です。
製造物責任法(PL法)関係も対応していますか。
PL法とは、以下のような内容についての法律です。

「製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任」についての被害者からの請求についての法律です(1条)。

そして、「その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する」よう請求できます(3条)。

当事務所では被害者側でも会社工場側でも対応しております。
ただ、特殊な技術がかかわる事件では、相当の技術関係のご説明の協力や助力をお願いすることはあります。

離婚関係

離婚を考えているのですが、まず何をすればよいですか?
様々な状況が考えられますので、一概には答えられません

ただ、離婚訴訟では、家族間での問題ということもあり、争点についての証拠が十分に揃えられないことも多いです。

訴訟になれば(訴訟を匂わせるだけでも)、証拠の確保は極めて難しくなります。

まずは、少しでも証拠の確保を。何が証拠になるかわからないと言うのでしたら、この段階で弁護士に相談されても良いかもしれません(依頼には早いですが)。
離婚の際の証拠って何ですか?
一概には答えれません。

例えば、女性関係を問題にするならば、「肉体関係」についての証拠になります。

財産分与が問題になりそうでしたら、相手方名義の財産(預金や保険など)の存在や金額を確認できるものなどが証拠になります。
養育費(婚姻費用分担金)算定表を見れば、養育費(婚姻費用)の金額は決まるのですか?
必ずしもそうは言えません。

確かに、多くの場合、算定表の金額を基準にすることになります。

しかし、算定表も、その表作成の前提となった計算式があります。そして計算式の数字には、一定の理由付けがされています。
事情によっては、計算式の数字の理由付けが妥当しない場合がありますので、修正を加えることもあります。

例えば、子が私学にいっている、病気があるといった場合、算定表の数字に金額を加算することもあります。
単に計算だけで解決するならば、調停を起こす必要はありません。調停で協議するのは、計算での数字を基本にしながらも、各家庭や事情は様々なために、それを考慮するためです。

ですので、算定表は基準にしつつも、それだけでは解決されないと考えておく方がよいでしょう。
不貞相手が所在不明なんですが、どうにかなりますか?
前の住所がわかれば、住民票から現住所をたどれる事があります。

電話番号がわかれば、契約者・代金支払い者の住所は、調査できます。

どうしても、行方不明ならば、欠席のまま裁判を進めることも出来ますが、この場合、勝訴しても回収が困難になります。

(注意)これらの調査は、事件に対応する中で弁護士が出来るものですので、単に住所だけを調べ教えることは出来ません。
子に会わせてくれないんですが・・・。
よほどの事情が無い限り、面会交流は認められます。

家庭裁判所に申し立てましょう。

なお、この申立ては、離婚裁判中(調停中)であっても別途起こせます。離婚裁判が数年以上続いたとしても、その間に子に会えないわけではありません。

もっとも、相互に都合もあれば、子の都合もあります。条件はお互いに納得いく形で、十分に協議して決める必要があります。
離婚までどれくらいかかりますか。
争いの程度や財産関係にもよります。
長い時は数年かかることもあります。短ければ2か月程度の交渉で話が付くこともあります。

平均的には、1年程度でしょうか。
離婚だけ先に決めて、ほかの紛争(慰謝料だけ後から決めるなど)が残ることもありますが、そういう解決は数は少ないでしょう。
同棲相手が浮気しました。内縁関係として、慰謝料請求できないでしょうか?
内縁関係とは、婚姻届は出していないけれども法律上の婚姻に準じる関係がある場合で、婚姻中の夫婦に近い法的保護が受けれます(準婚関係)。

これに対して、同棲ですと恋人関係の男女が共に暮らしているだけですので、法律上、夫婦のような取扱いはありません。

この2つ、結局は事実上婚姻と同視できるほどの社会関係があるかで判断されます。
具体的には、結婚式があったか、周囲や親族、会社などに夫(妻)として紹介してきたか、子供はいるか、同居の期間の諸事情などから判断されます。

上記基準からみて同棲としかいえないならば、浮気の慰謝料を請求は難しいでしょう。
面会交流が認められたのに、全然会わせてもらえません。
損害賠償請求が認められた判例があります。訴訟を試みるかでしょう。
また、面会交流の定めが調停などでより強固に決まっているときは、間接強制といい、面会させるまで相手にお金を払わせる手続きも検討できます。

また、一度、終了した面会交流調停について、守られないとして再度の面会交流の調停をして、より有利な解決を目指すことも可能です。
どういう理由が離婚理由とされますか?
法律上は以下です。

第770条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

よくあるものは、不倫・暴力(DV)などです。

借金や浪費、新興宗教への関与などに関しては、家庭を破壊するような極端な場合である必要があります。
時折、嫁姑の争いで離婚できないかと言う質問を受けますが、単なる不仲では難しいです。

ただ、過去の裁判例では、嫁を他の家族と分離して、食事場所も食事の内容も劣ったものを与えて、かつ夫がその姑の行為を知りながら放置した事案などでは、離婚が認められています。

明確な離婚理由がない場合は、相互に話し合って同意しての離婚、または別居して関係を置いて、お互いの関係が回復不可能な程度まで悪化した(婚姻関係が破綻した)となる状況を待つことになるでしょう。

不動産トラブル

突然、大家さんに「出て行くよう」言われましたが、出て行かなくてはなりませんか?
借主は借地借家法と判例で厚く保護されています。

賃料を払い、なんら問題の無い使用をしていたならば、言いなりになる必要はありません。

契約書に、いつでも解約できると言うような記載があっても、そのような記載は無効になります。
借主に居座られて迷惑です。なんとか追い出せませんか?
借主は法律上、保護されていますが、常に賃貸借契約を解除できないわけではありません。

事案によっては、法的対応が可能です。数ヶ月賃料を払わないなど問題の多い方については、ご相談ください。

また、法的に立ち退きが困難でも、通常、大家さんと喧嘩したまま何年も暮らし続けたいなどと言う人はあまり居ません。
うまく説得して、一定の立退き料で事実上立ち退かせることも考えられるでしょう。
賃料が高すぎる(安すぎる)気がするのですが 。なんとかなりませんか?
賃料については、まずは交渉から、スタートです。

交渉が上手くいきませんと、調停です。家庭裁判所で話し合います。

それも無理ですと、裁判と言うことになります。

なお、相当の賃料は、周辺の地価相場・固定資産税(と利回り)・これまでの賃料の変化などから、相当の価格が定められます。
一般に判例は、スライド方式をとるといわれており、地価の変動と賃料の変化の対比が重要となります。
立ち退きはすぐできそうですか
立ち退きは訴訟になると、時間がかかります。
明らかに勝てる場合でも、裁判をして、判決をもらい、明け渡し、退去させるための執行が必要です。

この執行も、行き場所のない病人や高齢者をいきなり追い出すことはできず、生活保護の申請まで、対応しなければならないこともあります。

時には、あえて賃貸人側が損をしても、自主的に退去してもらう方が、マイナスが低い場合もあります。
このあたりは事情を見ながらアドバイスをいたします。

企業/店舗/事業等

相談に行くのに、何を用意したらよいですか。
どのような相談でも①時系列をまとめたものと②質問したいことをまとめたものがあれば、相談がスムーズに進みます。

ご用意いただきたい証拠がある場合もありますが、事案によりけりです。事前にご連絡ください。

なお、仮に初回に用意が無くても、初回の相談の結果を踏まえて、2回目以降にお持ちいただければ構いません。
うちの業界では、契約書とか結ばないんです。これでは、裁判で主張できませんか?
必ずしもそうは言えません。

確かに、裁判で主張するにあたって、実印が押された契約書と印鑑証明書を所持していることは大変有利で、有力な証拠となります。

しかし、業界の慣習として契約書を結ばないことはあります。裁判官も、そのことを知らないわけではありません。

そのような場合は、見積書・業務日報・報告書・通常その業務で発生する費用・請求書・申込書・銀行口座の金銭の異動などの各種文書を使って、契約の存在と内容を立証していくことになります。

契約書が無かったとしても、諦めずご相談ください。
裁判で勝っても、相手(取引先や不法行為を行った従業員)はお金持っていないようなんですが・・・。
裁判所も、全くお金を持っていない相手からは回収できません。

しかし、そのような場合でも、会社であれば、必要に応じて訴訟を起こすことがございます。

理由は

・判決の効力は10年あるので、将来の資力回復に期待して

・他の従業員に対して、不正には厳しく対応していることを示すため

・取引先に対して、不誠実な取引については厳しく対応していることを示すため

・迷惑をかけた消費者に、会社として、誠実な法対応をしていることを示すため

・役員として、放置することで、自己が監視義務違反に問われないようにするため

・税務上の損金処理のため

とは言っても、弁護士費用をかけても、ほとんど回収できないことはございます。慎重にご検討のうえ、ご相談ください。
顧問先の選び方を教えてください。
①顧問事務所は、法的処理や考え方、専門分野が、自社の方針と合致する事務所が良いでしょう。この点が第一です。

②次に、いつでも連絡が取れること

これは、実際に法的トラブルを抱えて仕事をしてみると、よくわかります。

当職の法務部でのサラリーマン経験からすると、最重要チェックポイントの一つです。

③会社の方針を、良く聞いて行動してくれること

会社の姿勢に配慮して行動してくれる弁護士を選ぶことが大切です。

④正当で公平な料金を請求すること

具体的事件の依頼時に見積もりを請求し検討しましょう
顧問とは関係なく企業のトラブルに対応してもらえますか
はい。対応しております。

     
実際の事件処理を見てから顧問契約をとおっしゃる方も居られます。

遠慮なくご連絡ください。
顧問で無い場合の法律相談料はいくらですか
1回1事件5000円(税別)です。

時間無制限ですが、次の方との関係で、1時間程度になることが多いです。(長時間ご希望でしたら、あらかじめご連絡下さい)
契約書チェックの意味など無いですよね。
大企業が相手の場合、契約書の文言の変更に、なかなか応じてもらえません。

しかし、そういう場合の契約書チェックには以下の意味があります。

①本来の契約目的を明らかに達成できない条項が無いかのチェック

そういう条項があれば、契約自体無意味になりますので、締結しないこともあります。(例えば、フランチャイズ企業の場合、契約自体に下請け企業の使用が禁止されていますと、加盟店にはその契約で希望の効果が発生させれない可能性があったりします。)

②禁止条項、違法となる条項を社内関連部署に伝える

大手企業の契約書は条数も多く難解です。専門部署でないと、何が禁止されているかを把握するのが難しかったりします。そのため、うっかり営業部や広報部などが契約違反を起こさないように、注意を喚起しておく必要があります。

③将来のリスク分析

契約時に問題がなくても、将来リスクが生じる場合、それについての注意を喚起したりする必要があります。将来の事業計画に、そのリスクを反映させておく必要があるかもしれません。

④株主への説明

特に多額の金銭が動く契約に関しては、株主総会で質問がされることがあります。そのため、株主総会想定問答集に、その契約内容を記載しておき、役員の方がすぐに答えれるようにしなければなりません。

予防法務として、弁護士に契約書チェックを依頼しておく意味はあるでしょう。
今まで、作ったこと無いのですが契約書作成の意味はあるのですか?
世の中には、契約書の無い取引がたくさんあります。

日用品の買い物のような日常的な取引で、いちいち契約書に押印してれないのは当然です。


しかし、ある程度高額の取引であったり、一方が後払いの契約の場合、なるべく契約書を出したほうが良いのではないかと当職は考えます。

確かに、契約書をいちいち出すことで、身構えられて、スムーズに行く話しもスムーズに行きにくくなることもあります。だから、建築請負や広告、広報業界などでは、契約書が無いことも多いです。


現場担当者間では、嫌がられることも多いでしょう。


しかし、取引相手の会社全体で見ると、そうともいえません。


現場から管理部門、そして役員へと話が上がるにつれて、明確でしっかりした契約書があればあるほど、信用性が増します。

当職のサラリーマン経験上気づいたことですが、確かに営業担当者間では、書面より人間関係が大事なことも多いです。
しかし、管理部門や役員は、直接相手方の営業担当者と話さず契約を結びます(例外もありますが)。そうすると、結局、相手方が持ってきた資料や営業担当者の報告書で、判断することになります。

このとき、明確で、しっかりした契約書があれば、信用度がかなり高まります。

もちろん、契約書の第1の目的はトラブルに備えると言うことですが、上記のような理由からも契約書作成には意義があります。
当社はお客さん相手の仕事なんで、相談にいける時間が限られているのですが
当事務所では、土日も法律相談に対応しております。

また、平日も早朝7時から夜間21時まで対応しております(要事前予約)。

依頼者の中には、工事現場に行く前に朝7時に来られる方や、病院を閉めてから夜8時に来られる方も居ます。

事前の予約は必要ですが、対応はいつでも行います。遠慮なくご連絡ください。

企業法務と個人の依頼者との違いはどういう点ですか。
企業の依頼については、個人と比較して、ドライに、かつ、総合的に利益関係を判断して、行動することでしょうか。

また、会社依頼の訴訟では、単純に、その事件だけではない、相手方との今後の取引の問題・他の取引先との関係・行政機関の取締り法規の関係・御社の今後の姿勢・株主や他の取締役との関係などを総合的に判断してアドバイスします。
破産したら、取締役を辞めないといけませんか
会社法 第330条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。
とされています。

そして、
民法653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
ですのでいったんは辞任しなければなりません。

しかし以下の通り、取締役の欠格事由ではないです。

第331条 次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第197条、第197条の2第1号から第10号の3まで若しくは第13号から第15号まで、第198条第8号、第199条、第200条第1号から第12号の2まで、第20号若しくは第21号、第203条第3項若しくは第205条第1号から第6号まで、第19号若しくは第20号の罪、民事再生法(平成11年法律第225号)第255条、第256条、第258条から第260条まで若しくは第262条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成12年法律第129号)第65条、第66条、第68条若しくは第69条の罪、会社更生法(平成14年法律第154号)第266条、第267条、第269条から第271条まで若しくは第273条の罪若しくは破産法(平成16年法律第75号)第265条、第266条、第268条から第272条まで若しくは第274条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮(こ)以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)

以下略

このため、一回は辞任しなければいけませんが、再任はできるとされています。
М&Aでどうやるのですか。
方法としては、事業譲渡、株式全部の売買、会社分割などがあります。

それぞれに、手続きは法定されており、それに応じた対応が必要です。
それぞれに有利不利があり、適不適もありますから、まずは相互の会社の情報を開示しあい、詳細を確認しあうことになります。

事前に守秘契約を結び、合併の前に調査のための契約をし、場合によっては弁護士や税理士なども介入して対応します。
当事務所もしばしば対応しております(しかも、他の事務所より若干安いと言われます)。
遠慮なくご相談ください。
会社の後継ぎ問題を考えておかないとどういうリスクがありますか
(注意点1)株主が分かれた場合の弊害
経営者の方はもちろんご存知でしょうが、取締役に誰をするかなどの会社の重要事項は、株主総会で、株主の議決権の過半数の決議で決められます(会社法309条)。

第309条  1 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 略

そのため、この株式の相続のされかたによっては、様々な問題が生じます。
2人の相続人が半数ずつ持ち合う遺産分割となれば、その2人が対立すれば過半数を超える株主が居ないので会社が動きません。
代表取締役の地位も株主総会の決議で決まりますので、株の所有者が細かく分かれてしまえば、代表者の地位が不安定になり、思い切った経営ができなくなることもあります。親族の一部が細かく分かれた株を第三者に売却し、経営に好ましくない第三者が経営に介入してくる危険もあるでしょう。

このため、遺言や生前贈与などで株の帰属について、会社を継ぐ人に配慮して定めておく必要があります(他に定款などで対策可能な部分もありますが、ここでは置いておきます)。

(注意点2)事業譲渡の準備をしていない場合のその他の弊害
気を付けるべきなのはそれだけではありません。

特に中小企業の場合、代表者と会社の財産の帰属が不明瞭になっていることがあります。
経営において重要な財産、会社や工場の所在する土地の名義、特許の一部などが代表者の個人名義のままであり、会社との使用契約がないまま利用されている場合もあります。

また、会社の債務に取締役が個人で連帯保証していることも多いです。リース契約だけ個人になっているというような場合もあります。
このような場合、株式についての対処をしただけでは足りません。
それぞれの各積極消極財産についても、対応策を準備しておく必要があります。
海外と取引についての裁判も対応しておりますか
はい。
もっとも限定的です。
当事務所は、外国法や外国語対応の事務所ではありませんので、例えば中国語や英語の契約書や条文には、翻訳をつけていただいての対応をしております。
また、訴訟は基本的に国内での対応となります。
管轄などの問題があることもありますが、実際に、日本国内でA国とB国の貿易取引についての裁判を行ったことなどあります。

破産/借金等

破産したら、旅行に行けなかったり、身内に迷惑をかけたりしませんか?
法律上、原則としては、そのようなことはありません。

破産した場合に生じる不利益は、金融機関に記録され新たな借り入れが出来なくなること
(ETCカードをお使いの方、カード払いで光熱費などをお支払いの方、携帯電話を分割で購入されている方、ご注意ください)

特定の職業(他人の財産や権利を預かる職業等です。詳細はお問い合わせください)の制限があること
などです。

破産は各個人の制度なので、お身内の方が保証人などになっていない限り、お身内の方に迷惑をかけることはありません。
破産したら、養育費や傷害の損害賠償なども支払わなくともいいのですか?
破産で免責を受けることができない債務がいくつかあります。(破産法253条)

上記債務も支払いを免れれません。

他にも税金などや害意(条文上は「悪意」)を持っての不法行為の損害賠償についても支払いをのがれれません。


なお、破産自体は可能です(特定の債権だけ免責を受けれなくなるだけです)。

詳細には以下になります。

破産法 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
四 次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
七 罰金等の請求権
破産するお金が無いのですが?
破産にも、もちろん一定の費用はかかります。
破産するわけですからお金が全く無い人も居るでしょう。

分割払いなど、いくつか方法がございます。

当事務所では、借金関連の相談料は無料です。ご連絡ください。

その辺りも含めてご相談できます。
ブラックリストに載ると永遠に借り入れやローンは組めないのですか?
そのようなことはありません。各機関によるのですが、一般に10年前後で信用情報(ブラックリストの登録)は消えるといわれています。
(実際には金融機関の内部処理のために明確にお約束はできませんが)

早めに対応すれば、それだけ早く消えます。
迷うよりご連絡ください。
周りの人に知られませんか?
官報に掲載されますので、官報を読んでいる人で、かつ破産者の欄をチェックしている人には知られます。
最近はネット官報というものもあり、ネット上で読めるのでご注意ください。

ただ、ビジネスでもなければ官報を定期購読している人など、滅多に居ません。
また、官報を購読していても、破産者の欄など滅多に見ません。

事実上、知られる可能性は低いです。とはいってもリスクはゼロでないことはご承知おきください。
破産以外の手続きは無いですか?
いくつか、多重債務救済の手続きはあります。

①任意整理-債務者と債権者で話し合って、支払える額で手を打つ(示談する)手続きです。
②特定調停-任意整理のような話し合いですが、間に裁判所が入ってくれます。
③小規模個人再生-債務を5分の1程度に減額(場合によってはそれ以上になることがございます)して、3-5年で返済していく方法です。自宅を残せると言う大きなメリットがあります。

それぞれの手続きの中で、時効援用や過払い金返還請求をして、具体的な返還額を確定させてから行います。
借入先も借金額もわかりません、資料がないのですが・・。
大丈夫です。
こちらで取り寄せ調査できます。

借りている先が不明な場合も調査方法のアドバイスなども可能です。
サラ金会社からの連日の取立ての電話に悩んでいます。なんとかなりませんか?
弁護士に依頼しましょう。

弁護士が受任通知を送れば、数日内には、依頼した弁護士との交渉に切り替わります。
過払いって何ですか
過払い金とは、かつて、消費者金融が法律に違反して29パーセントなどの高額の利息を定めていた時に、その高額の違法な利息を払っていた人が払いすぎた違法な部分の利息を返してくれというものです。

利息制限法では、利息は以下のように定められています。

第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分


そしてこれを超える利息は違法ですので、これを超えて払っていた人が、返してくれという訴訟や交渉が過払い金返還請求です。
破産でも免責されない場合ってどういう場合ですか
「免責不許可事由」

(カッコ内は破産法252条の対象号数)

①財産の隠匿等(1号)

②換金行為等(2号) カードのショッピング枠を現金化したりすることです。

③偏頗弁済(3号) 結構、身内や友人だけ返したいという方がおられますが、これは偏波弁済になります。

④ギャンブルや浪費による財産の減少(4号) 一般的なギャンブルに加えて、マルチ商法などもこれに含まれることがあります。

⑤詐欺的な借り入れ(5号) 年収を多くいったり、無職なのに前職でカードを申し込んだりすることです。

⑥虚偽の報告や破産管財人の手続きの妨害(6から9号) 虚偽の報告ですね。報告を求めているのに、無視する場合も含みます。

⑦前から7年いないの破産(10号) 7年以上たっていても、2回目は厳しくなります。

あと、これは条文にありませんが、破産するには借金が少なかったり収入が多すぎて、弁済できると見れるという理由から対応できないこともあります。




なお、程度や事情によっては、免責不許可事由があっても、破産は可能です。

裁量免責といいます(破産法252条2項)。

破産申立する方は、多少はギャンブルや偏波弁済、浪費などは、ありますので、そういう方は多いです。

「事情によっては」と書きましたが、実際には弁護士や裁判所のいうことを聞いて真摯に対応した人ならば、ほとんどの方が通ります。
個人再生って何ですか
個人再生

個人再生は借金は残ります。

但し圧縮されます。

圧縮については3種類(手続きによっては2種類)の計算をして1番高い金額まで圧縮されます。

圧縮の計算は様々ですが、通常は5分の1まで(ただし、最大でも100万は残ります)の圧縮を目指しますが、債権者の意向などで、これが難しいことはあります。




借金を一部でも払うので、ギャンブルでの使い込みの事案でも可能ですし、一定の職業制限もありません。

また、居住用不動産にその不動産取得についての担保しかないときは、不動産を残すことができます。

車やその他財産も残せます(もっとも、弁済額がその分増えることはあります)。

費用は、事務所にもよりますが、通常は、破産より高額になります。
破産は簡単ですか
法的に通りやすいかという意味でしたら、誠実に手続きを踏み、これまで問題のある借り入れや弁済をしていなかったのであれば、破産、免責が認められるでしょう。

ただ、実際の手続きとして簡単かというと、手間はかかります。
時には、「自己破産で一番のデメリットは、職業制限や事故情報(ブラックリストに載る)ことでなく、その手間にあるかもしれない」と依頼者にお伝えすることもあります。
一般に破産する人が苦手にされていることの多い、帳簿の確認とか、領収書や請求書の資料の計算、家計をつけたり通帳を確認したりを積み上げるので、人によっては相当に苦痛のようです。

もちろん、依頼を受ければ、弁護士は、その手続きが少しでも楽になるように、あるいは間違いの無いようにと、手助けをしていきます。
家族に内緒で破産したいです
弁護士としては、破産のようなセンシティブな情報の取り扱いには注意を払います。

殊更に家族に知らせたりはしません(家族からお金を借りている場合は除く)。

理由のない第三者からの問い合わせには答えないです。

連絡方法も、ご本人の希望する方法に従った対応(茶封筒での郵便とか、ご本人が取りにくるまでは郵送を控えるなど)を心がけます。

ですので、家族に知られずに解決したことは、あります。




しかし、家族に知られない破産を約束できるのかといわれれば、約束はできません。

家族からお金を借りている場合は連絡が必要ですし、家族に連帯保証人になってもらっている場合は連絡がありますので発覚します。

債権者が訴える可能性もあれば、破産のための資料の収集に同居の家族の協力がどうしても必要なものもあります。家計簿と家計の領収書がいりますからね。

管財費用を身内から借りざるを得ない場合もあります。

管財人などが自宅を確認したいという可能性もないとは言えません。

また、実際に生活再建のためには家族の協力が不可欠ということも多いです。

そういうわけで、家族に秘密内緒での破産については、試みてみることは可能ですが、結果として常に可能であるとは言えません。
弁護士事務所に行かずに相談、契約できますか。
日弁連の過払い金などについてのホームページ記載によりますと

「1 受任弁護士自らが行う個別面談による事情聴取の原則義務化
弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則です。」
「原則として、受任する弁護士が自ら個別面談をして、事件の依頼主の事情を聴かなければなりません規程第3条)。」
とされています。

つまり、面談は必要ですし、事件を処理する弁護士自身が面談をしなければなりません。
ブラックリストとは何ですか
巷では「ブラックリストに載る」とか「ブラックになる」と言ったりますが、これはカード会社や銀行が、以下の登録機関に弁済遅延などの記録を登録することでカードが作れなくなることを指すようです。

事故情報の登録機関はいくつかありますが、主要なものは3つです。それぞれ、カード会社や銀行ごとに登録が会ったり無かったりしますので、ある信用情報機関では事故情報が出なくても、他の期間粗出るということがあります。

CIC(株式会社シー・アイ・シー)  JICC(日本信用情報機構)   KSC(全国銀行個人信用情報センター)

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