雑談6

雑談6

雑談6

弁護士としての思うところ、雑談をまとめています。

弁護士選びの基準の一つになればと考えております。

過去の記載はこちら

 

面倒くさい人と切れ者の差

事案について、各用語の定義から詳細に検討しなければならないのは、法律家にとって当然です。

そして、細かく定義や理論を検討して主張する中で、いわゆる面倒くさい人と言われるような主張と切れ者と言われるような主張は紙一重のところがあります。

この2者、用語や事実を細かく定義づけたり、詳細な理論構成をしたり、反論を想定して証拠の裏付をいちいち確認したりと、大きく見れば同じような検討をするからです。

 

では、この2つの違いがどこにあるのか。

私なりに検討して、気づいたのが、いわゆる面倒くさい人の主張は、結論や解決に対して各定義や理論がストレートに向かっていっていないです。

結論に影響するものもありますが、無関係な確認も数多く確認します。

これに対して、切れ者と言われる人は、確認事項が結論に直結します。想定される反論についても、確率の高いところについて的確に予想して確認します。

目指すべき結論を見据えることは大切ですね。

 

内容証明の回答期限

弁護士として依頼を受けて、対立する相手に書面を送付して、返答を求める場合、たいてい1週間以上は返答期限を置くようにします。

(時効や証拠の散逸のリスクがあるとか特殊な事情がある場合は除きます)。

 

この時間を置くのは、私としては、

①相手も検討する時間や他の弁護士に相談する時間がいるであろうという思い
②こちらとして相当の理由がある内容だから時間をかけて検討してもらっても不利はないという思い
③対立しているとはいえ、検討時間を短くして、相手の判断を誤らせるような卑劣な駆け引きの仕方をしている弁護士ではないというプライド

などからです。

 

しかし、私、結構、せっかちな性格なので、待っている間、やたらと返事がまだかと、気になります。

3日目くらいで、事務員に、「まだ返事来ないか」と聞いてみたりします。

1週間もたてば、発送日を確認し直したり、内容を読み返したりして、そわそわします。

回答期限の前日などになれば気になって仕方ありません。

せっかちだと仕事が早めに進んでいい時もありますが、待つのは結構しんどいです。

 

弁護士のボランティア

先日、ツイッターを見てましたら、ある弁護士の先生が、「ボランティアで手弁当で駆けつけたら、ボランティアと言っても営業活動や広報活動の一環でしょ」と言われたということで不快感を表明しておられました。

この「ボランティアは営業活動」云々といった発言ですが、私などは、「その気持ちは、わかるけれども残念」という思いがします。

 

ボランティアで公益活動・社会活動に取り組んでいる弁護士は多く、それを広告や営業と揶揄されると不快であることはよくわかります。

本当に何のメリットもなくやっていますから。

ただ逆に、本当に、毎日仕事に追われて、余裕がない生活していると、そういう公益活動とか社会活動が理解できなくなる気持ちも大いにわかります。

 

特に、精神的にきつい思いをしながら、生活費を何とか稼いでいるという状況ですと、

→「一円のメリットもないことを、わざわざするはずがない」

→「営業でも広告でもなく、ボランティアでの活動などするわけがない」

→「ボランティアって言ってるけど、実は営業・広告に過ぎない」

という発想になりやすいです。

私自身、弁護士になる前、結構、きつい仕事もしていた時期があるので、その時を思い出すと、その発想は十分理解できます。

 

 

弁護士になって、それなりに経験を重ねて、私もようやくわかるようになってきましたが、弁護士の言うボランティアはボランティア、公益活動は公益活動です。

お互いに立場や境遇の違いで、お互いへの理解が困難である場面があることはわかります。

ただ、ボランティアをする人と受ける人とその周囲の人が、誤解し合って、相互に不快感や疑念を持ち合うのは、残念に思います。

相互の誤解が溶けて、協力し合って(せめて非難し合わずに)活動できるのが一番です。

 

弁護士事務所とお金

弁護士事務所では大きなお金が動くことがあります。

 

例えば、同じ30万円でも、サラリーマンの場合は給料で30万円をもらいます。

ですので、30万円は1か月働いた自分への報酬の全てで、その30万円を基準として計算し行動します。

 

しかし、弁護士の場合、30万円の収入でも、300万円裁判で勝ってお金が入り、そこから270万円を依頼者に渡して残りの30万円を取得するという形になります。

そうすると、一時的ではありますが300万円のお金を取得して動かすことになります。

 

この一時的ではあるが大金を動かすという状況が、金銭に関する判断を甘くさせる危険があります。

よく注意して考えておかないと、お金に対する感覚がマヒする危険があります。

 

実際、当事務所が、会社の破産などの対応することもよくありますが、会社の破産原因を検討した場合に、「経営状態が良い時に、大きなお金を繰り返し動かすうちに、お金の感覚を麻痺させてしまっての行動が起因しての破産」と思われることはよくあります。

 

あさがお法律事務所では、常に日々のお金の動きには緊張感をもって行うように、心がけております。

弁護士活動には公益的な面もありますので、お金の話を嫌がる人もいますが、やはりお金の動きや検討も大切なものだと思っております。

特に会社顧問の業務では、その面のアドバイスを重視される依頼者の方もおられます。

 

髪型の変遷と法律

引っ越しで、昔の写真が出てきました。

今は、デジカメでデータで保管が当たり前ですが、一昔前まではフィルムに撮って、現像してもらうのが普通でした。

写真は15-30年前のものが多いですが、ファッションや髪型など、やはり古い感じがしますね。

 

世の中は、少しずつ変化し変わっていきます。

これは法律やその解釈も同じです。

毎年、国会が開かれる以上、法律が変わっていくのは当たり前ですし、毎日、裁判がある以上、裁判例の解釈にも変遷があるのは当然です。

しかし、日常生活の中で、大きな変更がなければ、つい忘れてしまいそうになります。

一度調べた裁判例や条文は、今も当然あるものとして判断を下しそうになります。

 

私たちの仕事では、ファッションや髪型は多少古くても大したことではありませんが、法律の条文や裁判解釈が古ければ、大問題になります。

自戒しております。

 

 

あさがお法律事務所の弁護士紹介

事務所の概要など

ページトップへ矢印