裁判の前でも、差押えは可能です。
これを仮差押えといいます。
相手が裁判前に逃げそうとか、お金を隠しそうというような事案で行います。
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仮に差し押さえるには、要件が2つあります。
①被保全債権
差し押さえをする以上、権利(貸金の返還請求権や損害賠償請求権など)が必要です。
権利は本来は裁判の中で、あるかないかを確定させるのですが、その前提として、裁判前の差押えでは一応あるということを裁判所に疎明しなければなりません。
(疎明とは軽い証明みたいなものです)
本来裁判をしてから差し押さえるのに、仮に差し押さえるわけですから、差し押さえておかなければならない(差し押さえないとお金を隠しそうとかお金を使いそう、逃げそうなど)事情を疎明しなければなりません。
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仮差押は裁判前に差し押さえるので、相手に与えるインパクトも大きいですし、その後の訴訟も余裕を持って行えます。
有効な手続きなのですが、いくつか問題があります。
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一つが担保が必要であること。相当の担保を現金で納める必要があります。
もう一つは相当に手続が必要で、弁護士に依頼することになれば、その分費用がかさむことです。
あと、そもそも担保になる財産(預金や土地など)の情報をつかんでいなければできません。
ただ、それでも、普通に裁判をすれば担保金は返ってきますし、費用も裁判で回収額とのバランスで検討すれば、無駄ではないと考えることもできます。
担保になる財産の情報をつかんだら、早目に手続を検討されるとよいでしょう。