裁判で驚かれること

裁判で驚かれること

裁判について

民事裁判で、弁護士にとっては普通なのですが、時折、依頼者の方に驚かれることがあります。

やはり、身近なものではないうえに、ドラマや映画も実態と違うことがあるので誤解してしまうのでしょう。

 

一般の方に驚かれること

①裁判は解決まで時間がかかる

1回の裁判期日は1~2か月に1回で、一個の事件の解決は1~2年くらいかかります。

そういう話を聞いて知っていても、多くの人は、ニュースでは特別な大事件は時間がかかるのだろうと思っていることは多いです。

しかし、同時に自分は大事件ではないし、そこまでのことはないはずと考えておられる方もおられます。

 

実際には、ごく普通の離婚とか、ごく普通のお金を返してもらう裁判でも1年くらいは掛かります。

本当に自分が経験すると「これほど時間がかかるとは・・・」と結構言われます。

 

②裁判の1回の手続きは早い

1回ずつの裁判の日の手続きは、尋問や検証などを除いては、5分から10分程度で終わります。

事前に書類も証拠も出していますので、その内容の確認と処理だけです。

 

尋問の日はさすがに数時間かかりますが、それは一つの裁判では、1、2回くらいしかありません。

ないこともあります。

 

基本的に時間と労力がかかるのは、裁判所に行くまでの裁判外での書面作成や証拠収集、証拠の整理や確認です。

 

③裁判には誰も来ない

テレビでやっているのと同じような法廷で裁判はされますが、基本的に誰も傍聴に来ません。

刑事みたいに話題の事件は少ないですし、法廷では書面を出すだけなので激論戦わせることもないですし、誰も見に来ません。

 

当事者でも、来られるのは5人に1人くらいです。

ただ、数分違いで、次の裁判が入っていることがあり、次の裁判の弁護士や事件関係者が後ろで待ってることはあります。

 

④特に、何も進まない日もある

せっかく裁判にいっても、特に話が進まないこともあります。

といっても、皆、さぼっているわけではありません。

裁判とは、結局、お互いの主張と証拠を噛み合わせて進行するものですから、その噛み合わせがうまくいかない時などは、どうしようもなく、噛み合わせるために証拠や主張を調整し直したりする日になってしまうことがあります。

 

⑤裁判は勝訴しても終わりでない

勝訴は簡単でも、そこからが大変という事件が、結構あります。

 

事案の裁判が終わっても、その後の差押えの手続き、差押え先の資産の調査などが続く場合です。

これには費用も手間もかかります。

不動産の処理などが絡むと1年かかることもありますし、詐欺事件などでは、結局は差し押さえ先が見つからず回収できないことも相当の確率であります。

 

⑥民事裁判では電話会議WEB会議がある

これは資料を先に出しておいて、電話で手続きするものです。

ウェブでの手続きも始まりました。

 

手続きとしては、

①一回目 法廷に出席して裁判官より電話会議にする旨の決定を受ける。(事前に連絡があり、一回目からウェブで進むこともあります。)

②二回目以降 事前にファックスで出した書面を電話で報告する。なお、ウェブ裁判の場合、書面も専用の提出システムで提出することになります。。

③ある程度話が詰まったころ出席し、これまでの電話の会議内容を法廷で陳述する。証拠の原本確認を行う。

④法廷で証人尋問する。

⑤最終 出席し裁判終了(裁判官の判断で欠席できることもあるし、③④⑤は同時にされることもある)

という流れになります。

 

もちろん、裁判所からの指示で、出席が必要なこともあります。

しかし、特に遠距離の裁判などですと(最近はコロナの緊急事態宣言などの場合は、近距離でも)、裁判所に行くのが一回だけということもしばしばあります。

遠隔地(あさがお法律事務所からですと、大阪神戸は近いですが、東京などは相当に遠くなります)であることを理由に、裁判をあきらめなくてよい、良い制度だと思います。

 

それと、この制度からわかるのは、裁判というものは声が大きい方、心を込めた方、感情的な方が勝つ制度ではないということです。

裁判は、証拠と論理、理性的な書面で判断されます。

だからこそ、書面を出しておいて、電話やネットでの10分前後の事務連絡だけでも進めることができるのです。

 

⑦自販機が安い

裁判所の中は、外より自動販売機の缶コーヒーや缶ジュース、紙コップのコーヒーやジュースなどが安いです。

最近、ちょっと値上げしてますが。

 

あさがお法律事務所は、西宮の法律事務所のため、大阪地裁に行くのも神戸地裁に行くのも30~40分かかります。

事務所から近い神戸地裁尼崎支部も、自転車で行くので30分かかります。

ですので、裁判所に移動したあと、一服の意味でコーヒーを一杯飲むのが習慣になっております。

 

⑧食堂や本屋、郵便局もある

これは大きな裁判所に限られますが、裁判所内に食堂や本屋、郵便局、売店などがあります。

私どもの近くだと大阪地裁にはあります。だれでも利用できます。

本屋はさすがに法律書がそろっております。

 

⑨場所が微妙

どこの裁判所も、歩けそうで毎日だと少し遠いなあと思う場所、タクシーのワンメーターで行けそうで、実際には行けない場所にあるような気がします。

 

大阪地裁だと、阪神 梅田からだと、ちょうど東側の入り口につく頃にタクシー料金のメーターが一つあがります。ちなみに阪急 梅田(三番街)からだと、3メーターくらいあがります。

伊丹の裁判所も、毎回、阪急 伊丹駅から、裁判所の駐車場に入るくらいのタイミングで、タクシー料金が上がります。

神戸地裁は高速神戸駅から、すぐですが、神戸家裁も高速神戸駅から毎回ワンメーターちょうど上がる距離です。

尼崎の裁判所も、JR 立花ですと近いですが、阪急 武庫荘の駅からは少し歩くと距離があります。

和歌山地裁は、JR和歌山から2メーターくらい上がります。

岸和田地裁も、春木の駅からタクシーでワンメーター上がる程度で、微妙に遠いですね。

 

なんだかどこも微妙な距離なのですが、私の行った中では東京地裁は駅そばでした。

はじめていったときは、霞が関からタクシーに乗ろうとして、運転手さんに怪訝な顔をされました。

あと堺の裁判所も駅から近いです。

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