弁護士の考え(無駄遣い)
私、弁護士岡田晃朝は、無駄遣いは、なるべく避けるようにしております。
いわゆるケチと言えばケチかもしれません。
これは、弁護士のいろいろな事情や考え、経験からくるものです。
弁護士の考え
私どものような弁護士一人の事務所では、自分と依頼者が一対一です。
そうすると、依頼者の方に請求するのも、受け取るのも私です。
自分の財布に入ったお金でも、〇〇さんが苦労して用意してくれたお金ということがわかります。
(資産家の依頼者の方で苦労までしていないとしても、やはり大金をいただいているという気持ちはあります)
もちろん、いったん、報酬として受け取ったお金は、私のお金です。
財布に入った以上は、理屈上は私の自由に使えるものではあります。
しかし、感情として、私が依頼者から受け取ったお金を、そのまま軽薄にお金を配ってたら、そのお金を支払ってくれた依頼者の方は、どう思うでしょう。
依頼者の方も、払った後は弁護士のお金と理屈は思っていても、何だかがっかりするんではないか・・・。
一人でやっている法律事務所ですと、特定の依頼者の入金が自己の給料にどう反映されたか、その入金から給料をもらいますのでストレートにわかります。
そうすると、今、自分の手元にある給料でも、依頼者がどうやって用意してくれたのかなどが、気になります。
弁護士費用は安くありませんので、
依頼者の方が定期預金を崩したり、
旅行のための貯金を崩したり、
事業拡張のための資金を崩したりして、
用意してくれたのであろうと想像できる以上、私の給料になっても、なんだか無駄遣いするのが申し訳ない気になります。
経験からくるお金の使い方
結婚して転職して、そこそこの給料になったころ、法科大学院ができたので、それを目指して月に20万の貯金。
このころ毎月、貯金貯金で、生活は苦しかったです。
そして、それなりに貯まった頃に退職して大学院に進学。しかし、このころと妻の妊娠がわかります。
そして、ロースクール入学の2か月前に出産。
その後はロースクール生で、子を抱えて、当然無収入。
自分の意向で、大学院に通学しているので(働こうとしての無職でないので)、失業保険その他、公的支援の多くは受けれません。
それだけでなく、前年のサラリーマン収入をベースに税金や社会保険の請求が届きます。
生活を切り詰めるのに、家賃4万5千円の築40年のマンションに家族3人で引越。
水道はお湯は出ませんし、暖房を2台つければヒューズが飛びます。
トイレは和式ですし、壁と床はところどころ、隙間があいております(間から外が見えました)。
冬は寒いのに布団が買えなくて、こたつ布団を重ねて震えながら寝てました。
食費は家族で1日1000円以下(ひどいときは数百円。記念日などは特別に1日2000円でした)、家財が壊れれば市のリサイクルセンターに粗大ごみを貰いに行ってました。
このリサイクルセンターまで、片道5キロ、車がないので自転車で本棚を抱えて帰ったこともあります。
そういう時代があったので、破産費用の約30万円、それがどれほどの大金か身にしみてわかっております。
人からいただくときは、本当に感謝してますし、そうであるからこそ、簡単に使うことができません。
今でも
私の持つクレジットカードは、1枚だけ、50万が限度額です。キャッシュカードも同じです(預り金口座分は除く)。
正直、日々の仕事やプライベートで、不便だなと思うこともあります。
特に仕事では、大きなお金を扱いますし、ほとんどの場合、窓口に行かなければなりません。
しかし、何らかの振込でも、少しでも大口になれば、必ず窓口で振り込むということは、お金の出し入れに慎重に確認ができます。
常に慎重にお金を取り扱うために、多少の不便さはやむを得ないと思っております。
無駄遣いの話とは少しそれましたが、私はお金の取り扱いには、それくらい慎重に対応しております。
最近は、銀行からも「ネットバンクに変えてください」、「カードの限度額上げてください」といわれますが、思い切ることができない状況です。
結論
理屈から言えば,私の給料になっている以上,入金元がどうかというのは別の問題です。サラリーマンの時は、入金元を気にしたことはありませんでした。
しかし、弁護士として事務所を経営するようになって、依頼者が苦労して用意してくださったお金が回りまわって私の給料になっているんだと意識するようになり、その結果、大きな出費をすることになんとなく後ろめたさを感じます。
そう考えると、なかなか無駄遣いができなくなります。
ケチといえばケチですが、そういうスタンスで、日々生活しております。