2014.08.18

弁護士の仕事と法的主張と口喧嘩

弁護士の仕事と法的主張と口喧嘩

弁護士の仕事と法的主張と口喧嘩

弁護士の業務

弁護士の仕事は、徹底した論理主張、法的主張です。

裁判の相手とは、初対面からすでに対立しているので、相手の主張に一歩も引かずに、自分の主張を貫かぬかればなりません。

しかし、それと口喧嘩とは違います。

相手が言うことに全部反論すればよいわけではありませんし、言いたいことは何でも言えばよいというものではありません。

依頼者の希望を明確にし、その希望を達成するのに必要な法律上の要件を確認し、それに当てはまる事実を適切に取捨選択して主張立証する。これが弁護士の仕事です。

時折、口喧嘩のように、言える文句はなんでも言ってほしいという方がおられますが、

結論から言いますと、決して有利になるものではありません。

本人訴訟でよくある問題

本人で、弁護士をつけずにしている訴訟に、途中で介入することもありますが、一番あるのがこの問題です。

弁護士がついていないと、言い分に何でも反発して、言いくるめれれば良いと考えて、必死に主張していたりします。

そして、おかげで不利な自白や内容がどんどん主張済みということがしばしばあります。

世間的には相手の言い分に反発しているように見えても、法的にはどんどん不利になっているということは、良くあります。

つまり、相手を言い負かそうとする口喧嘩と、法律論は全く違うのです。

 

 

ご本人の希望

もっとも訴訟での有利不利を超えて、どうしても主張して欲しいことは、遠慮なくお伝えください。

私どもは依頼者の利益のために活動しますが、「依頼者の利益=お金」だけの問題ではありません。

感情面、自己のプライドから、依頼者が主張してほしいことを主張するのも依頼者の利益の一つですので、お伝えいただければ、間違いなく主張しますのでご安心ください。

(根拠が無かったり、虚偽であったり、単に相手を威圧憤慨させたいだけの主張は対応できません)

会社の経営などの面から見ても、経営判断から、不利になっても主張しておかなければならないこともあるでしょうし。

 

私どものモットーは、原則、一般的に依頼者にとって、法的にもっとも適切有利な主張をする。

しかし、依頼者の希望があり、それ以外の主張を特に指示されれば、その方向で全力を尽くすというものです。

 

 

強気が良いのか弱気が良いのか

上記のように口喧嘩のように反発しても意味はありませんが、では、強気にはした方が良いのかが良いのか

これは状況によります。

書面を書くとき

訴状や答弁書などの法律書面を作成するとき、法律書面を出すとき

これはできるだけ弱気に考えます。

万が一にも誤りはないか、うっかり不利なことを言っていないか、一生懸命考えます。

考えすぎて夢に見たり、歩きながら、ふと気になった論点を携帯メールでパソコンに送信して後から見直したりしながら、検討します。

法律相談時

また、法律相談でも弱気に考えます。

というのは、法律相談の時は、こちらは一方の言い分しか聞いていません。

相談者はどうしても自己の側からの話や見解を話されます。

これに対して相談を受ける弁護士は、客観的に見通しを告げたり、証拠を探すところを指示したり、不利なところも指摘することが必要です。

そのために、「相手はこういう反論するかもしれない」「証拠のうちのここは弱点でないか」といろいろ気にするようにして、弱気に弱気に考えて、聞いていきます。

私も聞き方には気を付けるようにしているのですが、不利なところ不利なところを聞くので、相談者の方は気を悪くされることがあります。

そういう時は申し訳ないなと思いつつ、やはり裁判になったときに、相手はここをついてきそうだということを聞くようにしております。

裁判所での主張

逆に訴訟が始まり、裁判所に行けば、強気に主張することもあります。

こちらは十分に、話の裏や事情まで聞いて、依頼者の方を信頼して全面的に味方として主張するわけですから、自然に強気になります。

時々、法廷で、しゃべりすぎたかなと後悔することもありますが。

プライベート

休日は、スイッチが切れてます。

休息はよい仕事のために必要だと思いますので、努めてスイッチを切るように心掛けています。

ただ、正直、なかなかうまくいきません。

どうしても仕事の話が頭に浮かびますが。

 

兵庫県 西宮市のあさがお法律事務所

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