2014.05.18

弁護士としての姿勢について

弁護士としての姿勢について

弁護士としての姿勢について

1 初めに

ブログでは、私の弁護士としての考えや姿勢について記載しております。

その中で、今回は、

事実を冷静に、正確に把握し伝えつつ、その構成や法的評価で争う姿勢で弁護活動をしている

という点について、以下記載していきます。

弁護士

2 漫画から感じた弁護士の姿勢

(1)気になった点

弁護士漫画の「ホカベン」という漫画を、ネットでの無料立ち読みサービスでパラッと見ました。

そこでは、新人の弁護士が初めて出所した事務所で、「弁護士バッチを1日布でこするように」と命じられる話が書いてありました。

「弁護士バッチがピカピカだと新人と思われ、新人と知られることで他の弁護士になめられるから」という理由のようです。

あくまで、フィクション漫画ですので、そういう脚色なのでしょうが「おかしな事務所、ダメな弁護士事務所だなあ」と思いました。

(2)あるべき姿勢

弁護士というものは、今、手元にある証拠と事実関係を最大限に活かして、依頼者の利益になる状況を主張するのが仕事です。

事実の並べ方や評価の仕方、表現や法律構成のあてはめ方など、依頼者に有利になるように考えますが、嘘はつきません。

ましてや、証拠の偽造、変造などあり得ないことです。

ある事実や証拠があったとして、それをいかに有利に使うか。

そこに頭を使うこと、それが弁護士の仕事だと思っています。

 

で、初めの話に戻ります。

上記の考え方を普段からしていれば、弁護士バッチがピカピカだからこすって古く見せようなどと思いません。

もちろん、弁護士バッチは訴訟の証拠ではないので、変造したから裁判所に対して違法だと言うわけではありません。

(弁護士バッチは弁護士会から借りているものですので、それを、ことさらに棄損するわけですから弁護士会に対しては違法であると思いますが)。

しかし、普段から、弁護士とは今ある事実と証拠をうまく利用することが仕事だと考えているならば、そういう発想にはなりません。

 

弁護士バッチがピカピカであること、その弁護士が新人であることは今ある事実です、それを動かそうとは思いません。

そこを利用すればよいのです。

 

私も新人のころはありましたが、相手が新人であると舐めてきたならば、それを最大限利用し、訴訟において有利なポジションを確保するよう心がけていました。

これは、相手に警戒されるより、はるかに楽で有利です。

 

(3)私の業務姿勢

私、西宮の法律事務所の弁護士 岡田晃朝(おかだあきとも)は、依頼者のために頭は捻りますが、証拠は捻じ曲げません。

事実は変えませんが、依頼者に最大限有利になるように行動します。

 

3 思想的な中立性

(1)中立に

これについては、いろんな弁護士がおり、それぞれに考えがあるので、あくまで私の考えという前提で、読んでください。

特定の思想を強く持ちつつ、活躍されている弁護士もたくさんおられます。

私も個人としての思いはいろいろあります。

ただ、こと裁判での対応では、特定の思想に偏らないように考え対応します。

 

(2)理由

理由は、大きく分けると4つあります。

①冷静な判断

弁護士として、事実を判断する際に、特定の思想のフィルターを通すと、冷静に判断できなくなるのではないかとの思いもあります
 

(私の性格を考えるとそう思うと言うことで、問題のない方もおられるでしょう)。

冷静に事案を結論まで見通すことができなくなる可能性があります。

 

②依頼者の意思の冷静な確認

私個人の正義感や政治観、価値観を弁護士としての職務に組み込んでしまうと、依頼者本人の意向を捻じ曲げたり、捉え間違えるのではないかと思います。

これは避けたいところです。

依頼者は自分の人生を生きており、裁判後も生きていくのです。弁護士はそこに代理人としてほんの一時介入するだけです。

だから、なるべく依頼者の人生の代弁者として行動し、弁護したいと思っております。

そこに弁護士の思想を入り込ませる余地はありません。

 

③依頼会社の意向の冷静な確認

また、依頼者が会社の場合、依頼者ごとに経営方針があり、経営スタンスがあります。

単に目先の裁判に勝てば将来に渡って経営が上手く行くわけではありません。

だから、当職は各会社の経営方針に従い、会社の代弁者として行動し主張します。

そこにも弁護士個人の政治思想や社会思想が入り込む余地は無いです。

 

例えば、先日、依頼会社に有利な証拠があるのにその提出となると言葉を濁す会社があったのですが、社長と話をする中で、その会社にとって主要取引先であるA社に配慮して、その証拠の提出を控えていること、それが裁判の勝ち負けより、会社の経営に与える影響がはるかに大きいことが分かったことがあります。

 

④司法権の姿勢

基本的には政治思想は、政治活動や選挙などを通じて行うべきものであり、弁護士として行うものではないという思いがあります。

弁護士はあくまで司法の一翼として、少なくとも弁護士の仕事中は政治的には中立であるべきではないかとの考えがあります。

ここは異なる考え方の方も多くいるところでしょうが。

 

(3)まとめ

以上の通り、私は、弁護士として事実と資料を確認し、判断する場合は、政治的思想的には中立に事実をとらえて、ただ依頼者の意向だけを最大限に把握する方向に力を注ぎます。

 

 

結論

以上、

事実はなるべく、特定の思想や特定の方向性を切り離して、客観的に冷静にとらえる。
そして、それを構成し、法的評価する中で(証拠のあてはめも含めて)、弁護士として、頭を使う。

それが私の業務姿勢です。

あさがお法律事務所(今津駅前)

弁護士 岡田 晃朝の経歴紹介

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