依頼者の気持ちを考えて
はじめに
時々、妻と買い物に出かけます。
妻は服を買う時は、10着くらい選んで試着室に持ち込み、中から1,2着選んで買うというスタンスです。
私は、妻が試着室で着替えるのを待ち、着替えるたびに、服の感想を言う係です。
着替えるたびに感想を言う必要があるので、その店の試着室前で待っていなければなりません。
依頼者の気持ち
婦人服
婦人服の店ですから、店内は基本的に女性しかいません。
時々、デートかと思われる若いカップルは居ますが、おじさんは私一人のことが多いです。
婦人服の試着室の前で、ぼーっと立っていると、他の女性客にものすごく気を使います。
それに、店の人にも営業妨害になってるんじゃないかと気を使います。
妻の服の着替えや選択を待つ1時間程度は針のむしろです。
比較するのは失礼かもしれませんが、裁判所の前やロビーで弁護士を待つ依頼者の心境は、婦人服店の試着室の前で妻を待つ私の10倍くらい居心地が悪く、緊張もしているはずです。
ですので、私は、裁判所で依頼者と待ち合わせるとき、よほどのトラブルや前の事件が立て込んでいるなどでもない限り、基本的に依頼者に指示した時間の10分前くらいに行きます。
依頼者には裁判時間の10分前の待ち合わせを告げますので、都合、裁判の20分前には待っていることになります。
依頼者の方のその居心地の悪さを少しでも短くするように、できる限り早めに待ち合わせ場所に行って、待っているようにしております。
依頼者との関係
私どもの仕事は、様々な重大な局面に立ち会い、協力して紛争を解決していくことです。
このため、日々の仕事は、精神的に相当にプレッシャ―を感じます。
私は、生涯なれることはないだろうと思います。
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人や会社によって、立場も状況も違います。
性格も相手も違います。
そのような中で、ご本人の話をよく聞いて、ご本人の立場を想像すると、その人なりの苦痛が見えてきます。
職業的なものというよりも私の個人の性格として、その気持ちは無視できないですし、慣れることはないと思います。
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もっとも、その人の気持ちを十分に汲み上げて、ともに悩んだ後に、冷静な視点で状況を見ることも、私たちの仕事では必要であるとは思っております。
依頼者と共に悩みながら、これからも仕事に取り組んでいこうともいます。
まとめ
あさがお法律事務所は、小さな事務所です。
立派な調度品はないですし、豪華な待合室もありません。
派手な広告もしてません。
あさがお法律事務所の特徴は、「依頼者を最優先で、誠実に対応すること」という、どこかで見かけたことがあるようなキャッチフレーズのようなものです。
しかし、私どもは、この言葉をキャッチフレーズ、ただの広告文句に終わらせないように、真摯に依頼者の方に取り組んでいます。
私どもの依頼者の方に対する業務姿勢、それ以外には特徴のない事務所であるからこそ、選んでいただけた場合は大変うれしく思います。
そして、その期待に応えるように、全力で対応します。