労働問題
労働問題には、様々なものがあります。
しかし、いずれも一般に身近なものですから、ニュースなどになりやすいです。
最近、少し気になった労働事件をあげます。
銀座のママは労働者か
「銀座ママは労働者か? 判決は」という題目の記事をみました。
何となく扇動的な文言で、この題目だけが独り歩きしそうです。
が、実際は「売上の60%が報酬で、出退勤が自由な仕事なら労働者でない」と判示しただけのようです。
夜の店の「ママ」かどうか、「銀座」かどうかは、単に読者にアピールするためだけの文言で、判決の主題ではないようです。
マスコミの記事には、ネットにせよ新聞にせよ、時折こういうことがあります。
それで、読まれた読者の方が、時折、題目だけとらえて法律判断してしまったりします。
しかし、これは大変危険です。
実際に、判決に目を通すと全くそうでないことは、しばしばあります。
セクハラの処分事案
セクハラを理由に懲戒処分を下されたことについて、妥当との判決が最高裁判所第1小法廷でありました。
「セクハラ発言は職場環境を害し、従業員の意欲を低下させる。懲戒処分が社会通念に反するとはいえない」ということで,事前の戒告なく「30日間と10日間の出勤停止」「降格」が妥当とされました。
個人的には相当な判断かと思います。
労働者側の訴訟を恐れて、企業も厳しい措置を取りにくい時がありますが、セクハラ行為のようなものには、相当の処分は認められておかしくない事案でしょう。
最近の労働相談の傾向
私も労働問題について対応しておりますので、いろんな事案を見ております。
当事務所に相談に来る方は、会社側・労働者側、両方います。
あさがお法律事務所では、労働者か会社かで依頼を区分することはありません。
主張が法的に妥当か否かで、依頼を受けるかどうかをきめます。
そのため、日ごろから、労働者側会社側と言う視点ではなく、「ブラック企業ではないか」「問題社員ではないか」と言う視点で、検討します。
そういう視点で見ると、近年、「会社で大きなトラブルをおこしながら少しでも処分されれば違法だと喚き散らすモンスター社員」も、「労働者のことを人とは思えないような過酷な労働環境に置くブラック企業」も増えているように思います。
そのような中、セクハラの判決は、モンスター社員に対して厳しい処置も認められることを示した有意義な判決であると思います。