弁護士の横領
はじめに
「返還過払い金、弁護士らの着服横行か」というニュースがネット上にありました。
「借金をした人が貸金業者に払いすぎた利息を取り戻す「過払い金返還請求」をめぐり、過払い金が返還されたにもかかわらず、弁護士や司法書士が依頼者に渡しておらず、着服が疑われるケースが2012年以降、九州など全国で少なくとも45件(計約1700万円分)あったことが、大手消費者金融会社の調査で分かった。」「依頼者の同意が得られた8件について法務局などに懲戒請求した。」(引用元http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140819-00010000-qbiz-bus_all)(←2022年3月現在 当該ホームページは抹消されているようです。)
また、読売新聞に「弁護士の着服金が20億」(12月20日)という記事をみました。
さらに、「弁護士が「真面目に働く人ほど食えない」仕事になった理由」 という記事を見ました。(引用元:http://diamond.jp/articles/-/152922?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor)
1 「弁護士が「真面目に働く人ほど食えない」仕事になった理由」の驚くべき言い訳
(1)根本的におかしい
上記の「弁護士が「真面目に働く人ほど食えない」仕事になった理由」の記事の書きだし
「昔なら、預かり金に手をつけたところで、仕事はバンバン入って来た。だから短い時間であれば、何とか埋め合わせもできた。」
その発想がおかしいでしょう。
依頼者から預かったお金に、たとえ一瞬でも手を付けるとか、そういう発想自体が例示としてもあり得ないです。
当職は、お金を預り金として預かった際は、清算に必要な時以外は、動かすという発想が根本的にありません。
銀行振り込みでの預かり時も、銀行には必ず、預かったお金に相手への振込手数料分の若干の余裕を持たせて置いてあります。
弁護士って、特にお金については、慎重にあるべき仕事だと思っております。
(2)相手の心情への配慮がない
仮に、前記の話が実際にはない、わかりやすくするための例であっても、そのような記載を読んだ依頼者や相談者の方々がどう思うか、その想像がつかないのでしょうか。
その表現について相手がどう理解するか想像することは、弁護士にとって大切な能力だと思います。
(3)普通の感覚との違い
さらにこの記事は続きます。
「「いついつまでに振り込んでおきます」と言っておけば、1ヵ月程度なら約束の期限を過ぎても文句を言われることもなかったという。」
普通の感覚で考えてみてください。
他人のお金を「1000万円、とりあえず預かっといてくれ」って言われたら嫌じゃないですか。
預かるだけなんですよ、単にリスクを負うだけなんですよ。
私も仕事ですから、一定のお金を預かることはありますが、早く返したくてたまりません。
それが普通の感覚じゃないんでしょうか
(4)これまでもおかしい
そして、以下の記事が続きます。
「今では仕事が不足していることに加えて、社会から弁護士に寄せられていた信頼も下降気味となり、こうしたドンブリ勘定は“アウト”となった。」
「今では」って、どんぶり勘定は、大昔から人のお金を預かる仕事では、絶対に駄目です。
少なくとも私は一回もやったことがありません。
そもそも弁護士業以前に、あらゆる職業にある最低限の倫理や道徳の問題です。
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(5)弁解の極み
そして最後にはこう記載してます。
「確かに横領はよくないですよ。でも、その横領をした弁護士も含めて年配の弁護士ほど、実は、依頼者と向き合ってきたのが事実です。」
横領のような犯罪をしている時点で、依頼者どころか自分自身にすら向き合っていません。
ただの犯罪者です。
なお、ごくごく当然のことですが、統計的にそのようなデータもなければ、論理性もありません。
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結局、最後まで読んでわかりました。
2 横領の問題
横領自体もちろん許せません。人のお金を取るわけですからね。
さらには弁護士には特有の問題もあります。
横領した人が弁護士の場合、仕事として、裁判で正義や権利主張をしたり、破産の計算を行ったり、他社に経営指導をしてきたということです。
裁判の場でも破産や財産管理の仕事でも、公正に適切に権利を主張し、管理していくことが期待されます。
しかし、こういう事件がある以上、「見栄を張ったり、快楽におぼれたり、計算が普通にできなかったり」した人が過去に行った裁判や財産管理手続きで、公正に適切に対応をしてきたのか、疑わしくなります。
しかし、極端な記載ですね。ひょっとしたら、炎上狙いの虚偽記事かもしれません。