遺言の作成とトラブル

遺言の作成とトラブル

遺言書の作成

私どもの事務所がある西宮は、数少ない若い世代が増えている地域らしいですが、それでも多くの高齢者の方がいます。

尼崎や芦屋、伊丹や宝塚もあわせると、多くの高齢者の方がお住まいです。

当事務所は駅前(徒歩30秒)ということもあり,高齢の方が,遺言を作成したいと相談に来られることは結構あります。

 

遺言書の作成で注意すべきこと

遺言の作成ですが,ここで注意が必要です。

遺言は、後日の紛争を避けるためにするものです。

しかし,記載の文言や内容によっては,かえって後日の紛争を起こす危険もあります。

作成した方の希望に沿った遺産分割がされない危険もあります。

あくまで日本語で記載するものですし,簡単に書けそうですが,法律文書である以上,法律の表現を誤ると予測外の事態となります。

また、法律上、厳格な要式行為でもあります。

 

実際に

私どもでも、遺産や相続の判例集や学術書はもちろん,「遺言の文章表現についてだけの書籍」も購入して,勉強しております。

 

日常用語で,さしたる違いのない言葉の違いが,法律紛争で大きな違いを産むことがあることからです。

遺言の作成から遺言執行まで,事情や状況,資産の額にもよりますが,専門的な部分は専門家に相談,任せたことがよい場合は多くあります。

この書籍、遺言の文言が載っているだけの本ですが、それだけでも約280ページほどあります。

単に、遺言の文例だけで、これだけの本があるわけですから、その記載の専門性は理解できるでしょう。

 

これまでは、実は以前,私はこういう言い方はしませんでした。

自分でできる範囲の処理は,できる限り,自分でされたほうが費用も掛からずに,手間もかけずに処理できてよいと考えていたからです。

専門家に頼んだ方がよいというと,自分に仕事をくださいと言っているようで,あまりよくないかなとも考えていました。

しかし,実際に多くの相談例を見ていますと事前に,相談者の方が自分で出きると思って行ったことが,大問題になることが結構多いことがわかってきました。

職務上、トラブルに介入することが多いとはいえ、「遺言はあるが記載がおかしい」、「作成時の状況がおかしい」というだけで、最も長い人で6年くらい争ってます。

こうなっては、何のための遺言かわかりません。

「弁護士職務基本規定(依頼の勧誘等)第十条」から、積極的な勧誘まではしませんが、私が専門家の対応を勧めるときは、過去の経験から弁護士に任せないと後日のトラブル拡大がある事案だから、とお考えください。

 

まとめ

遺言については、弁護士に依頼して公正証書にするのがよいですが、費用をかけるのが嫌だという方は、少なくとも、本を1,2冊図ってください。

法律家でなくても作成できるような自筆証書遺言の最低限の記載方法が載っている本は、それなりに市販されています。

なお、購入の際は、作者を確認し、弁護士作成のものにしてください。

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