職業病


弁護士の職業病の一つとして、「些細なことでも論理的に検討する」というものがあります。

と書くと、すごいことのようですが、わかりやすく書けば「しょーもないことで、グダグダ考える」とも言います。

(なお、こういう、表現をやたらと小難しく変えたがるのも弁護士の職業病でしょう)

裁判所というのは、国家機関で、当然全国組織です。

しかし、なぜか地方ルールがあります。

特に私の事務所のように、遠方での裁判も積極的に受けていれば、地域によって処理が違うということはよくあります。

先日も大阪神戸の裁判所では、いつも出している書面をある地域の裁判所に出したら、「あ、これ違います、うちの書式使ってください」と言われました。

(他にも書面が必要な手続きと口頭でできるものが違ったり、調停出席弁護士を名前で呼ぶか番号で呼ぶかが違ったり)

駆け出しのころ、国家機関だし、法律と裁判所規則で決まっている内容に沿っていれば違いがあるのはおかしい気がしたので、

「なぜ、扱いが違うのですか、根拠はなんですか」と裁判所に聞いたところ「裁判所(官)の独立と訴訟指揮からです」と答えられました。

しかし、「裁判所(官)の独立」があるとしても、すべて法定の記載事項の揃っている書式を、デザインを理由に「受領拒否」まではできないのではないかと思います。

ただ、そうは言っても裁判所(官)の独立から、一定の範囲では、手続内容も裁判官や裁判所ごとに決めることもあるようにも思います。

「独立」の限界はどこなのか、裁判所ごとに独立や訴訟指揮を理由に手続をどこまで自由に変更できるのか。

駆け出しのころ、そういう無駄なことで、良く悩んでいました。

最近は、指摘があれば「すみません、すぐに直します」で話を進めます。

よく考えたら、それで数日間、裁判所の書記官(書類の受け付けたりする責任のある人)と口論するより、謝って出したほうが処理が早い。

そして、依頼者からすれば判決に影響がある事項ならともかく、弁護士が修正すれば早く終わる手続なら、そちらのほうが嬉しいはず。

最近は、疑問に思う事情があっても,それを言って依頼者にメリットがあるかどうか考えるようにはなり、口に出す回数は減りましたが、それでも些細なことでグダグダ考えることは今でもあります。

職業病ですね

西宮の弁護士 あさがお法律事務所