月別アーカイブ: 2018年2月

証拠と指示と

法律相談の中で、いろいろ事情を聞いて証拠が足りないと思うことはよくあります。

相談者の方は、いろいろ検討の上、「納得いかない」と考えて法律相談にまで来られているわけですから、全く話にならないということは少なく、おっしゃっていることは理解できることが多いです。

しかし、証拠が足りないので、このままでは訴訟できないということはよくあります。

そこで、私は証拠集めのために、いろいろと指示を出します。

法律相談に、わざわざ来ていただいた以上、何らかの方針は示したいと考えて、いろいろな証拠確保の方向性を示します。

それで、せっかく指示をいろいろしても、結局対応していただけない方がいるとき、残念に思うことがあります。

例えば「録音してください」という指示するときは、過去の類似事案から考えて、会話の中では事実を認めるが、「書面に印を押してくれ」と言われれば「できない」というであろうと予測できるときです。

それなのに独自の判断で、「あれほど認めると言っていたからきっと、録音までしなくても書面に押印を貰えるだろう」と思って話し合いに行き、結局印鑑は押して貰えず「印をもらえると思ったから録音してなかった」となることがあります。

また、他にしばしばあるのは、「やっても相手は対応しないし、無駄だと思ったのでやりませんでした。」という一言です。

事案によっては、私も「これは期待する証拠を相手が出すことはないな」と思いながら、「やってみてください」とアドバイスしていることはあります。

それは「やってみて、相手が対応を拒否しても、その拒否自体やあるいは駄目もとでも請求していることが有利な証拠に使える」と考えてのアドバイスです。

ですので、やっても相手は対応しないことも想定した上で、あえて指示しているのに、それで独自の判断で対応していただけなければ、がっかりします。

私としても、法律相談で長く話を聞いて、相談者の方と一緒に悩んでいるときなどは、相当に相談者の方に気持ちが入ってます。

相談者の方と同じように悩んでいろいろ検討して指示を出しております。

そのため指示した証拠確保に失敗すると、自分のことのように残念に思います。

私は、相談者の方側に強く迫ったり、命令口調で話すことはありません。

しかし、専門家として一生懸命考えて指示はしております。

そこは信用していただいて、対応していただければと思います。

あさがお法律事務所

市役所や法テラスの法律相談と誤解

以前もこのブログに記載しましたが、市役所の法律相談とか、法テラスの法律相談とか、国選弁護士への相談には誤解があるような気がします。

それは、弁護士が嫌々やっているとか、いい加減に処理しているというものです。

そのようなことはありません。

各制度ともに、名簿に登録した弁護士が持ち回りで対応します。

私も、国選弁護士の名簿にこそ登録していませんが、それ以外の市役所や法テラスについては登録しており、年に数回ですが、順番が回ってきます。

別に無償ではなく、相談者の方は無料ですが、私どもは数万円の報酬は頂いております。

弁護士という職責もありますし、皆さん真剣に相談に対応していると思います。

そもそも、対応が嫌ならば、名簿に載せなければよいだけですし。

年に数回しか担当日は来ませんし、それで食べていけるわけがないですから、仕事のない弁護士が登録しているというのもデマです。

真剣にやっていても誤解が生まれるのは以下の事情からでしょう。

① まず、それなりの割合で、専門外の質問が来ます。

事務所への相談予約の場合は、予約のお電話の段階で、「その分野は取り扱ってません」とお断ります。

ところが法テラスや市役所の相談では、事前にそのようなお話はできません。

担当の弁護士としては当日相談者の方が来て初めて、専門外で回答できないとわかります。

そうなるとある程度の一般論と概要は答えれても、それ以上の回答はできません。

② 次に、市役所も法テラスも、事務所と違い、その弁護士が使い慣れた書籍や資料が置いてあるわけではありません。

「調べればすぐわかる」という問い合わせでも、その調べるための書籍が手元になく、「ちょっと、今すぐは回答できません」と言わざるを得ないこともあります。

あるいは書式のひな型を見せてあげれば、すぐわかるという事案でも、その書式を示してあげることができません。

③ さらに相談時間の時間制限が20分から30分で厳格です。

ちょっとややこしい事案でしたら、事案の概要を聞いて事実確認をした時点で、相談時間が終わってしまいます。

そうすると回答ができませんので、弁護士としては回答を短くするか、相談者の方の説明中に話をさえぎって回答を始めるしかありません。

これでは十分な回答はできません。

④ 相談者の方に証拠をもってきてもらわなければ話が進まないということがあります。

事務所での相談でしたら、「では次回に、この証拠をお持ちください」と指示し、持ってきてもらい説明を進めることができます。

しかし、法テラスや市役所ですと、「では次回に、この証拠をお持ちください」と指示しても、持ってくるときには担当の弁護士が変わっています。

そうすると、説明は一からやり直さなければなりませんし、指示した証拠をどう検討するかで、前の弁護士と見解や方針に違いが生じてしまう場合もあります。

市役所や法テラスの法律相談は無料です。

事案の解決のためのスタートの時点の相談としては有用と思います。

しかし、上記のように限界があることも理解の上での利用が良いでしょう。

しばしば、無料の相談ができるところをあちこち廻って、結局、解決できずに時間と手間だけかけて解決できないと誤解されている人がいます。

あさがお法律事務所

尋問の打ち合わせ

尋問というのは、各証人や当事者の証言を裁判所で得て、証拠化するものです。

この前提として打ち合わせするのですが、そこで、何をどの程度打ち合わせるかは難しい時があります。

一字一句、指導して、文言を考えてほしいと言われたことがあります。

しかし、これはできません。

当事者の証言を、弁護士が作出することは、証拠を弁護士が作出することになりかねません。

尋問は、あくまで、ご本人が事実をそのまま語ることに意味があるのであり、弁護士の創作を語ってもらうようなことは、法曹倫理上避けるべきだと思います。

とは言っても、全く何の説明も無し、何もしないのでは、尋問において弁護士を依頼している意味がないことになります。

そこで、私どもでは、尋問の手続や順番などの説明、尋問でのおおよその方針や尋問事項の確認、相手のこれまでの主張の中で依頼者の視点からおかしいと感じるところはないかの確認などを行うことにしております。

なお、時折、裁判所の待合で大声で、尋問事項を打ち合わせている弁護士と依頼者がいます。

内容が丸聞こえで、「大丈夫かな」と他人事ながら気になることがあります。

裁判の相手方が居ないかの確認くらいはしているのでしょうが、お手洗いに通りかかる可能性もあれば、たまたま聞いた人が相手の弁護士と知り合いというリスクも・・・。

あさがお法律事務所

弁護士とキャラ

弁護士にもいろんなキャラクターの人がいます。

テレビだと、どうもステレオタイプなキャラクターが多いように思いますが、実際には、本当に人それぞれです。

そして、そのキャラクターに合わせて、自分に合う弁護士を依頼することが良い紛争解決につながると思います。

キャラクターの違いはメリットにもデメリットにもなります。

例えば、話しやすい弁護士だと依頼者の方は相談しやすいですし、交渉相手も腹を割って話をしてくれたりということがあり、交渉がうまく進むことがあります。

逆に、話しにくいが威厳がある弁護士だと、交渉に当たってもその発言に説得力が出ますし、相談者の方も安心感が持てるというメリットがあります。

強気な弁護士は相手に強い主張ができますし、弱気な弁護士は万が一の場合にも備えた念には念を入れた対策を取ります。

仕事が丁寧な弁護士もいれば、迅速な弁護士もいます。

いろんな弁護士がいる中、やはり自分に合った信頼できる弁護士を依頼することが必要でしょう。

弁護士は、依頼を受ければ、その人やその会社の代わりに、主張し交渉していきます。

あなたと様々な事項を打ち合わせますし、長い時間かけて対応していきます。

ですので、自分に合うと思える、自然に話しやすい仕事を任せることができる弁護士を探すことは大変、重要です。

弁護士は医師などに比べると、専門分野があると言っても柔軟で、比較的広い分野に対応できる人が多い(離婚、破産、事故、金銭回収などは、ある程度は、どの弁護士でもできます)ですから、猶更、自分に合うかの面からの検討が重要になります。

あさがお法律事務所