カテゴリー別アーカイブ: 弁護士業について

弁護士業について

顧問弁護士の活動の限界

顧問弁護士は、会社の味方となって活動します。

会社のために行動します。

しかし、ここで注意すべきは、会社の味方であるからこそ、その活動に限界があることです。

味方になるのは会社であって、個々の取締役や会社の機関、大株主ではありません。

通常、対外的な紛争の場合は、取締役など会社の機関を守ることは、同時に会社を守ることに繋がりますので、特に問題になりません。

しかし、複数の取締役同士のやりとりへの介入となると話は別です。

会社の味方であることは、その会社の内部でのやり取りへ介入が微妙なことがあります。

他の弁護士のブログでも類似の指摘がありました。

最近、この点の検討を忘れて、対応する直前に気が付いて取りやめになったことがありました。

直前まで、対応を検討していたことで、関係の方にはご迷惑をおかけしました。

顧問弁護士は会社のための弁護士で、会社のために活動します。

あさがお法律事務所

何にもできないとき・・・。

弁護士は法律を適用して、裁判所や国の手続きで解決する仕事です。

ですので、当然、法律がなければ、その問題を解決することが無理になります。

長い目で見て、立法のために活動することがあるとしても、その目の前にある問題は解決できません。

また、法律があっても、個人の救済につながる規定でないと、やはり目の前の問題の解決はできません。

あくまで広く公益一般のためとか、行政機関の規律のための法律というものもあり、そういう規定は個人の個々の問題の解決に使えないことがあります。

そして手続きがあるかどうかの問題もあります。

法律があっても、それで個人の権利を救済できる手続きがなければ希望する結果をもたらすことはできません。

例えば、お金を払うことを強制できても、実際に謝罪させること自体(謝罪広告でない)の強制はできません。

弁護士に依頼に来ていただいたとき、いかに対処するか私どもは一生懸命検討します。

しかし、それでも上記のような事情で対処できない場合もあります。

そういう場合、大変残念に思います。

あさがお法律事務所

山尾議員と法曹の特質

元検事の山尾議員が不倫を疑われた相手を、再度、法律顧問にするそうです。

私はあまり、政治的なところは、仕事に持ち込まないことにしておりますので、山尾議員を支持するかどうかはさておき、この姿勢は法曹の持つ長所と欠点を表していると思います。

この長所と欠点、表裏をなすものになります。

一言でいうと、「人の気持ちはさておき、自分が正しいと思う行動をする」ということです。

普通に考えて不倫を疑われた相手と再度取引することは、やましいところが無くても、周囲の人間は不快感を持ちます。

不適切な関係がなかったなら、理屈上は問題が無いようですが、支援者の中には不快に思う人もいるでしょう。

何よりも普通は家族は相当に嫌でしょう、特に子供の気持ち考えたら私なんか耐えられません。

悪く言えば、「人の気持ちよりも、正しいか悪いかで物事を見て行動し、自分が正しいと思えば周囲の気持ちなどお構いなし」とも言えます。

しかし、逆に見れば、「周囲が何を言っても、自分が適切と思うことをやり遂げる姿勢がある」とも言えます。

法曹が対応する人の中には、平気でうそをついたり、芝居をして不当に利益を得たり、責任を逃れたりする人もたくさんいます。

そういう相手の意見にまともに付き合っていては、仕事になりません。

根拠の無い話ならば、相手にせずに、手続きを進める必要があります。

そういう意味では、良い面でもあります。

政治家としてどうかはさておき、正しいことならば周りに安易に動かされない姿勢は、法曹としては持っておくべき資質でもあると思います。

もっとも、弁護士ならば、依頼者や周囲の人の気持ちを推し量り調整する能力も、同じくらい必要です。

あさがお法律事務所

弁護士の選び方

a0003_001887

時折、当事務所にセカンドオピニオンを聞きに来られる方がいます。

で、いろいろな相談を受けます。

その相談に対する回答で、結構な割合、「推測にはなりますが、おそらく今、依頼している先生は、こういう意向でしょう」というような回答になることがあります。

「今依頼している弁護士がどういう考えで動いているのかわからない」と不安を感じて、それを聞きに来られる方は結構多いです。

そこで、私は依頼者の方に推測を説明した後に

「それ、今、依頼されている先生に聞けば、すぐ教えてくれることだと思いますよ。」

と伝えます。

これに対して、

「今の先生には、恐ろしくて、そんな質問できません・・・」

と答えられる相談者の方は、それなりにいます。

弁護士を選ぶ基準はいろいろとあるでしょうが、一つ、疑問を聞きやすい弁護士、話しやすい弁護士を選んだほうが良いと思います。

そうでないと、不信感や不安感が生じることもありますし、私どもの事務所にセカンドオピニオンに来る方のように、余計な費用や手間が掛かることもありますから。

実際、資格を持った弁護士が、さまざまな事情を考慮して対応しているわけですから、セカンドオピニオンに来られても、前の弁護士の対応がおかしいということは滅多にありません。

たいてい説明不足で、相談者の方は、不安に感じていることがほとんどです。

弁護士を選ぶ一つの基準として、あなたから見て、話しやすい弁護士を選ぶことは一つの基準になると思います。

あさがお法律事務所

弁護士も悩みます

a0960_006830

理屈ではこう・・・・法律論では、こうなる・・・・。

そのように私どもは、冷静に依頼者にお話しします。

皆様に説明するときは、私は理屈や根拠、過去の裁判例などから、冷静に、検討すべきところ、手の打ちどころを話します。

しかし、私どもも悩まないわけではありません。憤りを感じないわけでもありません。

弁護士も悩んで、いろいろと考えます。

そして、十分、考えに考えて、最終的には、やむを得ない点はやむを得ない点として認識して、冷静に説明します。

弁護士は、この悩んでいるところを、憤りを感じているところを、依頼者に見せることは通常ありません。

ですので、依頼者の方は、いつも冷静に見通しや結論を検討して、私が話しているように見えることもあるかと思います。

しかし、説明するときは冷静でも、その前は依頼者(もちろん、ご本人ほどではないでしょうが)と同じように弁護士も相当に悩んでおります。

ただ、さんざん悩んで腹が立っても、考えるだけ考えた後は、冷静になって依頼者にとって一番メリットがあるのは何かを考えてアドバイスし、対処していきます。

あさがお法律事務所

状況を見ながらの判断

a0960_006772

あなたが、お医者さんに言ったとしましょう。

喉が痛く咳が止まりません。

微熱もあるようです。

お医者さんは言うでしょう、「風邪かと思いますね、薬を出すので、しばらく様子を見ましょう」

そこで、貴方がお医者さんに「絶対に風邪ですか」とか「薬は絶対に効きますか」とか聞いた場合、医師も断言することは難しいでしょう。

弁護士もこれに似たところがあります。

事案や資料から、相手にできる請求や反論の目途をつけてアドバイスします。

時には、今の時点ではわからないが、ある方向に当たりをつけて主張してみて、相手の出方を見るということもあります。

しばらく様子を見つつ対応するということもあります。

弁護士の業務というのは、医師に比べれば、身近に感じることは少なく、その対応も初めてでよくわからないという依頼者の方も多いかと思います。

時には、結論をすぐに断言しないでの相手の様子を見ながらの対応は不安に感じることもあるでしょう。

しかし、専門的な視点から、様々な可能性を潰していきながら、より確実な見当を立てるのは、他の専門職と同じです。

そこは信頼して、任せていただければと思います。

あさがお法律事務所

裁判依頼だけではありません

a0001_011488

弁護士が裁判以外でも対応できることは、いろいろあります。

会社関係ならば、会社の合併や分割、事業譲渡なども対応しております。

私どものように中小企業が中心の弁護士事務所ですと、新聞に載るような大規模の合併依頼などがあるわけではないですが、

相続前に子らに会社を継がせるために会社を分割したり、倒産しそうな会社の救済のために合併したりということは、時折あります。

また契約書の作成や新規事業の法的側面の検討などを行うこともあります。

交渉などを代行することもありますが、企業間の交渉は、怨恨の情が比較的少なく、金銭的にまとめることができる場合も多いです(全てではないですが)。

個人の依頼者の方についての裁判外での対応といえば、多いのはまず、任意整理があげられます。

借金を交渉で分割、リスケさせて、弁済可能なように調整します。

他にも貸している側でのお金の請求や相続、交通事故においての交渉というものも、裁判外でしばしば対応することがあります。

ただ、個人の場合は、理屈ではなく心情的に話ができないという人もおり、ある程度の確率では裁判になることをご了承いただいての対応になることが多いです。

弁護士は、裁判以外の対応もありますので、まずはご相談に来られてください。

もちろん、相談だけで解決する方もたくさんおられます。

あさがお法律事務所

債務整理の基準

a0790_001231

どういう債務整理をするか、これは弁護士とご本人で、話し合って決めることです。

ですので、相談の場で、希望をおっしゃっていただいて構いません。

もっとも、その希望通り対応できるというわけではありません。

細かい要件上の問題もありますが、まず基本的な考え方として、借りたお金は返すというのが原則であり、ただ、それがどうしようもない場合に、一定の法政策で対処されるというものと知っておく必要があります。

ですので、まずは、返せるなら弁済方法を調整して返す、任意整理・リスケ・ジャンプといった手段を第一に考えなければなりません。

その次に、それが難しい場合は、個人再生となるでしょう。約5分の1程度(計算が必要で必ずそうなるものではありません)に借金額を圧縮しての弁済となりますが、やはりできる限りは返すということになります。

そして、それもできない場合にはじめて、自己破産ということになります。

もちろん、生活の状況などは、家族の数や事情にもよるので、ご本人の話やご希望も聞き協議して対処は決めますが、特定の手続きを希望したからと言って、必ず対処できるというものでないことはご理解ください。

あさがお法律事務所

債務整理のご相談

仕事と報酬

_MG_80124

私はサラリーマンの時は、会社で法務関連の仕事をしていました。

職務上、現在の弁護士の仕事と一部仕事が重なることがあります。

サラリーマンの時と同じ仕事をすることがあるのですが、その際、同じ仕事でも貰える報酬に大きな違いがあって、驚くことがあります。

例えば、契約書の作成などはサラリーマンの時も弁護士になってからもやりますが、サラリーマン時代の月給から計算した契約書作成の料金と、弁護士になってからの契約書作成報酬には大きな差があります。

(あさがお法律事務所の報酬は、平均的に見て旧弁護士会の規定より若干安い程度の価格設定です。)

もちろん、サラリーマンの時は仕事がない時も給料の保証があるわけですし、契約書にミスがあっても直接自分に生じるのは社内責任にとどまりますし、退職金や賞与、有給休暇もあります。

弁護士は、給料の保証はないですし、退職金も賞与もありません。有給休暇もありません。社会保険も全額を自分で払いますし。

なんといっても、行った仕事の責任はすべて自己責任で、それも専門家としての高度な責任を負うことになります。

交渉などでの身の危険も直接自分に迫ります。

ですので、単純な比較はできません。

全ての事情を計算して金銭評価すれば、貰っているお金は、サラリーマン時代より少ないのかもしれないと思うこともあります。

しかし、そういう概念上の計算の話はおいておいて、目の前に報酬としてお金を出されると、やはり「大金だな」と思います。

弁護士という仕事は、長時間労働になること、危険があること、重い責任が伴うことも多いですが、報酬との比較で言えば、「これだけ多額の費用を用意してくださったのだから、これくらいの苦労は当然」と思うことが自然な感情としてあります。

あさがお法律事務所

ボランティアと弁護士

a1530_000159

先日、ツイッターを見てましたら、ある弁護士の先生が、「ボランティアで手弁当で駆けつけたら、ボランティアと言っても営業活動や広報活動の一環でしょ」と言われたということで不快感を表明しておられました。

この「ボランティアは営業活動」云々といった発言ですが、私などは、「その気持ちは、わかるけれども残念」という思いがします。

ボランティアで公益活動・社会活動に取り組んでいる弁護士は多く、それを広告や営業と揶揄されると不快であることはよくわかります。

本当に何のメリットもなくやっていますから。

ただ逆に、本当に、毎日仕事に追われて、お金に追われて生活していると、そういう公益活動とか社会活動が理解できなくなる気持ちも大いにわかります。

特に、精神的にきつい思いをしながら、生活費を何とか稼いでいるという状況ですと、

「一円のメリットもないことを、わざわざするはずがない」→「営業でも広告でもなく、ボランティアでの活動などするわけがない」→「ボランティアって言ってるけど、実は営業・広告に過ぎない」

という発想になりやすいです。

私自身、弁護士になる前、結構、きつい仕事もしていた時期があるので、その時を思い出すと、その発想は十分理解できます。

弁護士になって、それなりに経験を重ねて、私もようやくわかるようになってきましたが、弁護士の言うボランティアはボランティア、公益活動は公益活動です。

そもそも、良くも悪くも、いわゆる営業とか広報広告活動と言う概念自体を持たない弁護士は多いです。

そういう概念を持たずに仕事ができるというのは、ある意味恵まれているところがあると思いますし、その点の感謝を忘れてはならないと思いますが(最近は、競争も少しずつ増えつつはあります)。

お互いに立場や境遇の違いで、お互いへの理解が困難である場面があることはわかります。

ただ、ボランティアをする人と受ける人とその周囲の人が、誤解し合って、相互に不快感や疑念を持ち合うのは、残念に思います。

相互の誤解が溶けて、協力し合って(せめて非難し合わずに)活動できるのが一番です。

あさがお法律事務所