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弁護士業について

市役所や法テラスの法律相談と誤解

以前もこのブログに記載しましたが、市役所の法律相談とか、法テラスの法律相談とか、国選弁護士への相談には誤解があるような気がします。

それは、弁護士が嫌々やっているとか、いい加減に処理しているというものです。

そのようなことはありません。

各制度ともに、名簿に登録した弁護士が持ち回りで対応します。

私も、国選弁護士の名簿にこそ登録していませんが、それ以外の市役所や法テラスについては登録しており、年に数回ですが、順番が回ってきます。

別に無償ではなく、相談者の方は無料ですが、私どもは数万円の報酬は頂いております。

弁護士という職責もありますし、皆さん真剣に相談に対応していると思います。

そもそも、対応が嫌ならば、名簿に載せなければよいだけですし。

年に数回しか担当日は来ませんし、それで食べていけるわけがないですから、仕事のない弁護士が登録しているというのもデマです。

真剣にやっていても誤解が生まれるのは以下の事情からでしょう。

① まず、それなりの割合で、専門外の質問が来ます。

事務所への相談予約の場合は、予約のお電話の段階で、「その分野は取り扱ってません」とお断ります。

ところが法テラスや市役所の相談では、事前にそのようなお話はできません。

担当の弁護士としては当日相談者の方が来て初めて、専門外で回答できないとわかります。

そうなるとある程度の一般論と概要は答えれても、それ以上の回答はできません。

② 次に、市役所も法テラスも、事務所と違い、その弁護士が使い慣れた書籍や資料が置いてあるわけではありません。

「調べればすぐわかる」という問い合わせでも、その調べるための書籍が手元になく、「ちょっと、今すぐは回答できません」と言わざるを得ないこともあります。

あるいは書式のひな型を見せてあげれば、すぐわかるという事案でも、その書式を示してあげることができません。

③ さらに相談時間の時間制限が20分から30分で厳格です。

ちょっとややこしい事案でしたら、事案の概要を聞いて事実確認をした時点で、相談時間が終わってしまいます。

そうすると回答ができませんので、弁護士としては回答を短くするか、相談者の方の説明中に話をさえぎって回答を始めるしかありません。

これでは十分な回答はできません。

④ 相談者の方に証拠をもってきてもらわなければ話が進まないということがあります。

事務所での相談でしたら、「では次回に、この証拠をお持ちください」と指示し、持ってきてもらい説明を進めることができます。

しかし、法テラスや市役所ですと、「では次回に、この証拠をお持ちください」と指示しても、持ってくるときには担当の弁護士が変わっています。

そうすると、説明は一からやり直さなければなりませんし、指示した証拠をどう検討するかで、前の弁護士と見解や方針に違いが生じてしまう場合もあります。

市役所や法テラスの法律相談は無料です。

事案の解決のためのスタートの時点の相談としては有用と思います。

しかし、上記のように限界があることも理解の上での利用が良いでしょう。

しばしば、無料の相談ができるところをあちこち廻って、結局、解決できずに時間と手間だけかけて解決できないと誤解されている人がいます。

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弁護士とキャラ

弁護士にもいろんなキャラクターの人がいます。

テレビだと、どうもステレオタイプなキャラクターが多いように思いますが、実際には、本当に人それぞれです。

そして、そのキャラクターに合わせて、自分に合う弁護士を依頼することが良い紛争解決につながると思います。

キャラクターの違いはメリットにもデメリットにもなります。

例えば、話しやすい弁護士だと依頼者の方は相談しやすいですし、交渉相手も腹を割って話をしてくれたりということがあり、交渉がうまく進むことがあります。

逆に、話しにくいが威厳がある弁護士だと、交渉に当たってもその発言に説得力が出ますし、相談者の方も安心感が持てるというメリットがあります。

強気な弁護士は相手に強い主張ができますし、弱気な弁護士は万が一の場合にも備えた念には念を入れた対策を取ります。

仕事が丁寧な弁護士もいれば、迅速な弁護士もいます。

いろんな弁護士がいる中、やはり自分に合った信頼できる弁護士を依頼することが必要でしょう。

弁護士は、依頼を受ければ、その人やその会社の代わりに、主張し交渉していきます。

あなたと様々な事項を打ち合わせますし、長い時間かけて対応していきます。

ですので、自分に合うと思える、自然に話しやすい仕事を任せることができる弁護士を探すことは大変、重要です。

弁護士は医師などに比べると、専門分野があると言っても柔軟で、比較的広い分野に対応できる人が多い(離婚、破産、事故、金銭回収などは、ある程度は、どの弁護士でもできます)ですから、猶更、自分に合うかの面からの検討が重要になります。

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書籍の引用

先日、友人が事務所に相談に来ました。

その友人は、他の法律事務所も何件か廻って同じ相談しているということでしたので、「他の事務所の相談と当事務所の相談と比較して、忌憚のないところを教えてほしい」と聞きました。

それで、いろいろ教えてもらったのですが、その中で意外に思ったのが書籍の確認や引用です。

あくまで友人個人の印象で、一般論でどうかはわかりませんが、「書籍の確認や引用をせずに回答する弁護士の方が印象が良い」とのことでした。

私は、「いろんな書籍を確認して引用し、書籍を確認してもらいながら説明するほうがよい」と考えておりました。

ですので、些細な点はともかく、一定の重要なポイントは、事前に調べてわかっている内容でも、時には書物を依頼者に見せて説明しておりました。

そのほうが丁寧で、適切な対応かと思っていたのですが、それが頼りなく思えるというのは意外でした。

今後、どうするかは私自身検討中ですが、少なくとも、弁護士が考えてした対応と依頼者の方の受け止め方に差が生じることがあることはよくわかりました。

そういうことがある(こちらの意向と別の受け止め方がされることがある)前提で、今後も対応していこうとおもいます。

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交渉の相手方の方へ

特定の事件を想定しない、一般論ですが、交渉の相手方の人に知ってもらいたいことがあります。

法的に「こうなる」と決まっているところで、それと異なる自分の意見や主張を何時間も話しても無駄です。

例えば、時効を考えてください。

商行為の時効期間は5年です(商法522条)が、4年目にいくら「時効だ」と何時間交渉されても、弁護士としては対応のしようがありません。

いろいろ話されても、「無理です」と回答するだけです。

このように単純なものならば、わかりやすいのですが、複雑に法律が絡んでいたり、判例の解釈などが絡んでいると、何とかなると考えて交渉を持ちかける方がいます。

ご自身では粘り強い交渉のつもりなんでしょう。

私もサラリーマン経験があるので、物の売買価格なんかの交渉や新規営業などの場では、そういうスタンスが一定の成果を生むこともよくわかっています。

おそらく、今まで、社会でそれで成果を上げられてきたのでしょうし、そういう社会経験や成果は、弁護士と言う職業を離れた場では評価しないわけではありません。

しかし、弁護士が入って法的な交渉をと言う時には、法的解釈とずれた話を延々話されても、お互いに無駄な時間になります。

依頼者としても、弁護士に入ってほしいという時は、もはやそういう交渉を離れて、法的に明確にしたいという思いで依頼に来られていることが多いです。

そして、私どもはその思いにこたえて、法的にお話することになります。

ご理解ください。

なお、そういう時は、そちらでもほかの弁護士に相談してもらい、主張できるところとできないところ、微妙なところをご理解してから、話してもらえると、かえって助かります。

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弁護士の言動

弁護士は紛争に介入する仕事ですので、ちょっとした一言が紛争を拡大させたり、大きな事件に発展させたりすることもあります。

そういう状況に介入する以上は、言動には特に慎重であるべきと考えております。

正直に言うと、やはり一生懸命依頼者のために相手と話していると、強く相手に言ってしまいそうになることもあります。

しかし、それでトラブルを拡大させることは、私の仕事ではありません。

感情的な言い合いを、冷静に解決することが仕事です。

そして、正しいことをきっちりと主張すれば、成果が出る仕事です。

それが弁護士という仕事のいいところかと思っております。

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今年は依頼が・・・

今年は依頼が、これまでより多かったです。

あさがお法律事務所を西宮市の今津駅前に開いたころの依頼者は限られていました。

顧問先は、開いたばかりの時は無かったので、そちらからの相談はありませんでした。

友人、知人に、500枚くらいは開業の案内を出しましたが、特にそこからの相談もありませんでした。

それでも、あさがお法律事務所を立ち上げた時点でも、ある程度は相談者の方には来ていただいていました。

だいたい、月に15-20人くらいでしたでしょうか。

看板を見たり、ホームページを見たり・・・。

当時は、事務所を開いたばかりで、依頼になる人は限られていましたが、それでも多くの人に知っていただいたと思います。

その後、3年、5年、7年と、年を重ねることに依頼者は増えていきました。

事務所を開いたばかりの時と同様に、看板やホームページで知って来ていただける相談者の方、依頼者の方がいる中

一度解決した後に別件で、再度、ご相談に来ていただける方が加わり、

さらに顧問先やその紹介の依頼者が増え、

昔、案内をした友人や知人やその紹介の人も時折来てくれるようになっていきました。

おかげさまで、今年は依頼も多く、充実した一年でした。

自営業だと、サラリーマンのように、年齢とともに昇給(今時サラリーマンでも年功序列は、少ないかもしれませんが。)ということはありませんが、コツコツ積み上げてきたものを評価してくれる人がいるのだなと思いました。

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弁護士になるまでの勉強の仕方

こういう仕事をしていると、時々、「どうやって勉強してたんですか」とか、「どういう勉強してたんですか」と聞かれます。

会話の糸口的なところで、聞かれることも多いですが、実際に真面目に答えると・・・

①基本を第一にやる

とりあえず基本を大事にして勉強しました。

本はあまり買い替えずに、同じ本を何度も。

②毎日やる

毎日、食事するような当たり前の習慣のように勉強してました。

ものすごく賢い人はどうか知りませんが、私なんかだと、繰り返しやって覚えて、何度も考えて論理の整合性を取ってやっていくしかなかったですから。

③目的から逆算して手段や計画を立てる。

法学全体を見れば、莫大な量がありますし、時間も能力も有限ですので、目的をよく見据えて、必要最小限だけをやるようにしていました。

もっとも、必要最小限に絞っても1日15時間休みなしで勉強する必要がありましたが。

今考えると、このやり方というのは、勉強以外でも結構なんにでもいえることではないのかなと思います。

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顧問弁護士の活動の限界

顧問弁護士は、会社の味方となって活動します。

会社のために行動します。

しかし、ここで注意すべきは、会社の味方であるからこそ、その活動に限界があることです。

味方になるのは会社であって、個々の取締役や会社の機関、大株主ではありません。

通常、対外的な紛争の場合は、取締役など会社の機関を守ることは、同時に会社を守ることに繋がりますので、特に問題になりません。

しかし、複数の取締役同士のやりとりへの介入となると話は別です。

会社の味方であることは、その会社の内部でのやり取りへ介入が微妙なことがあります。

他の弁護士のブログでも類似の指摘がありました。

最近、この点の検討を忘れて、対応する直前に気が付いて取りやめになったことがありました。

直前まで、対応を検討していたことで、関係の方にはご迷惑をおかけしました。

顧問弁護士は会社のための弁護士で、会社のために活動します。

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何にもできないとき・・・。

弁護士は法律を適用して、裁判所や国の手続きで解決する仕事です。

ですので、当然、法律がなければ、その問題を解決することが無理になります。

長い目で見て、立法のために活動することがあるとしても、その目の前にある問題は解決できません。

また、法律があっても、個人の救済につながる規定でないと、やはり目の前の問題の解決はできません。

あくまで広く公益一般のためとか、行政機関の規律のための法律というものもあり、そういう規定は個人の個々の問題の解決に使えないことがあります。

そして手続きがあるかどうかの問題もあります。

法律があっても、それで個人の権利を救済できる手続きがなければ希望する結果をもたらすことはできません。

例えば、お金を払うことを強制できても、実際に謝罪させること自体(謝罪広告でない)の強制はできません。

弁護士に依頼に来ていただいたとき、いかに対処するか私どもは一生懸命検討します。

しかし、それでも上記のような事情で対処できない場合もあります。

そういう場合、大変残念に思います。

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山尾議員と法曹の特質

元検事の山尾議員が不倫を疑われた相手を、再度、法律顧問にするそうです。

私はあまり、政治的なところは、仕事に持ち込まないことにしておりますので、山尾議員を支持するかどうかはさておき、この姿勢は法曹の持つ長所と欠点を表していると思います。

この長所と欠点、表裏をなすものになります。

一言でいうと、「人の気持ちはさておき、自分が正しいと思う行動をする」ということです。

普通に考えて不倫を疑われた相手と再度取引することは、やましいところが無くても、周囲の人間は不快感を持ちます。

不適切な関係がなかったなら、理屈上は問題が無いようですが、支援者の中には不快に思う人もいるでしょう。

何よりも普通は家族は相当に嫌でしょう、特に子供の気持ち考えたら私なんか耐えられません。

悪く言えば、「人の気持ちよりも、正しいか悪いかで物事を見て行動し、自分が正しいと思えば周囲の気持ちなどお構いなし」とも言えます。

しかし、逆に見れば、「周囲が何を言っても、自分が適切と思うことをやり遂げる姿勢がある」とも言えます。

法曹が対応する人の中には、平気でうそをついたり、芝居をして不当に利益を得たり、責任を逃れたりする人もたくさんいます。

そういう相手の意見にまともに付き合っていては、仕事になりません。

根拠の無い話ならば、相手にせずに、手続きを進める必要があります。

そういう意味では、良い面でもあります。

政治家としてどうかはさておき、正しいことならば周りに安易に動かされない姿勢は、法曹としては持っておくべき資質でもあると思います。

もっとも、弁護士ならば、依頼者や周囲の人の気持ちを推し量り調整する能力も、同じくらい必要です。

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