カテゴリー別アーカイブ: 法律関係

法律論や法律解説、よくある法律質問などです。

相続の際の各機関

相続の際、各機関ごとに残っている資産や過去の取引状況を確認します。

銀行、証券会社、保険会社など・・・

で、各機関に問い合わせるのですが、これが機関ごとに対応が異なり困惑することがあります。

委任状と相続関係を示す戸籍が必要なのは全機関共通ですが、それ以外の書面や手続きに相当に差があります。

驚くのは、同じ銀行でも支店や担当者によって違ったりすることです。

これは、結局は担当者の方が相続処理に慣れておらず、その上司もよくわかっておらず、混乱の中で処理されることが理由であることが多いです。

特に弁護士が介入するときはイレギュラーな時も多いですし。

このために、相続の調査時は、ある担当者でも問題なかった書式が別の担当者で受付を拒否されたり、ある機関では郵送で提出する書類が他の機関では窓口に提出に行かなければなかったりします。

そのたびに私どもも困惑しますし、依頼者にもご迷惑をおかけしてしまいます。

おそらく担当してくれる各機関の方も専門外の業務で困っていると思います。

今後、今の高齢者の方がさらに年を取れば、相続処理は、どんどん増えていくでしょう。

場合によっては債務整理より増えるかもしれません。

自己破産などの場合は、どの機関でも定型的な書式で、定型的にスムーズに処理されます。

当事務所は、債務整理と相続を多く取り扱う事務所ですが、開示をお願いする書面は、ほぼ同じもの(借財の証明や過去の取引履歴)なのに、両方の手続きのスムーズさに顕著な差が感じられます。

一方は亡くなっている人の手続きと言っても、死亡と相続は戸籍関係でわかるはずですし。

自己破産などと同じように、各機関としても、ある程度、各支店に専門の担当者の方を置いて、スムーズに処理できる体制を整えていただければありがたいです。

(一応の担当がいるところもありますが、債務整理関係の担当者と比較すれば対応のスムーズさに相当の差があります。)

また、弁護士会としても、ある程度、各機関と協議して定型的な対応方針を定めていただければ助かるのになあと思います。

あさがお法律事務所

根拠のないこと

根拠のないことや漠然とした噂で行動を起こす人が居ます。

なんとなく気持ちがわかることもあるのですが、実際に重大な局面で判断にかかわる事実については、根拠を確認しないと大きな問題を起こすことになることがあります。

時にはその後の人生にかかわることもあります。

実際に、ネットの情報、人のうわさなどは正確に根拠をとったり、その分野の専門家に確認してもらえば誤りであることは、よくあります。

新聞記事やニュースでの情報ですら、時折、誤りがあります(私どもは法律や裁判関係しか判断できませんが)。

訴訟などで、日々、いろんな事例を取り扱う経験からすれば、そういう根拠がいい加減であるからこそ生じたトラブルも多いです。

正確に根拠を調べたり、確認することは、手間がかかったり費用が掛かったりします。

ですので、根拠の確認が必要とわかっている人でも、躊躇することがあるのでしょう。

人は、多少不自然な情報でも、繰り返されて聞いた情報、面白おかしいゴシップネタ、好意を持っている相手(交際相手など)から聞いた話は、信じやすかったり広めやすいようです。

しかし、そういう相手の言うことを根拠なく信じて、莫大な借金を背負われた人もいます。

会社の経営や人生の重大な岐路では、根拠を十分に確認した事実をベースに検討されるほうが良いと思います。

あさがお法律事務所

中小企業と労働基準法

中小企業において労働基準法違反は、それなりに多いです。

しかし、中小企業の経営者の方には、実際には従業員思いの人は相当に多いです(もちろん、問題がある人もいますが)。

従業員思いの人が多いのに、労働基準法違反となるのは、以下のような例があるからです。

例えば、会社の給料基準が明確でない会社などで、よく頑張った社員がいる場合、社長がぽんっと25万から40万に給料あげてしまったりすることがあります。

社長としては、残業して頑張った社員に、残業も込みで与えているつもりでしょうが、これは法律的には通用しません。

基本給25万に、残業分を計算して払う以上の額を払っているので、社長としては、「なぜ?違法?」と思うのでしょうが、あくまで基本給と残業代は給料明細上、明示して分けなければなりません。

単に給料を25万から40万にあげると、基本給が上がっただけになりますので、この上がった基本給40万円をベースにして、割増賃金を別に払わないと、労働基準法違反です。

あるいは家族の都合で、どうしても休まなければいない社員がいるとき、「うちには有給休暇はないけど、困ってるやろうから」と、社長が休んだ分の給料相当額をポケットマネーから出したりする話もあります。

これなども、普通に有給休暇をあげて、会社からお金を出せばよい話なのに、このような対応をすることで違法になってしまいます。

(同じようなパターンで、社宅ないけど、困ってるやろから、近所にアパート借りてやるというのもあります。)

中小企業の社長からは、やむを得ずに破産する時でも、従業員だけには迷惑をかけないでほしいといわれることは多いです。

中小企業の経営者の方は、実は従業員思いの方も多く、実際に従業員に相当のお金を出しているのに、法的手続きを踏まないために違法になって、後日、困られる方は相当に多いです。

マスコミなどの報道を見ると、金の亡者のようなブラック企業の経営者と清貧な労働者がいるかのような報道が目立ちますが、実際に労働問題の現場で話を聞くと、そのような極端なことは少ないです。

会社の就業規則や労働関係の手続きをそろえることは、普通の会社では本業自体ではないですし、手間がかかるのが嫌なのでしょうが、現在は労働基準法違反の会社は厳しい目で見られます。

実際には、事前に手続きや準備をすれば防げることもありますので、大きなトラブルになる前に弁護士にご相談されてください。

あさがお法律事務所

顧問弁護士の活動の限界

顧問弁護士は、会社の味方となって活動します。

会社のために行動します。

しかし、ここで注意すべきは、会社の味方であるからこそ、その活動に限界があることです。

味方になるのは会社であって、個々の取締役や会社の機関、大株主ではありません。

通常、対外的な紛争の場合は、取締役など会社の機関を守ることは、同時に会社を守ることに繋がりますので、特に問題になりません。

しかし、複数の取締役同士のやりとりへの介入となると話は別です。

会社の味方であることは、その会社の内部でのやり取りへ介入が微妙なことがあります。

他の弁護士のブログでも類似の指摘がありました。

最近、この点の検討を忘れて、対応する直前に気が付いて取りやめになったことがありました。

直前まで、対応を検討していたことで、関係の方にはご迷惑をおかけしました。

顧問弁護士は会社のための弁護士で、会社のために活動します。

あさがお法律事務所

遺産相続と情報

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かつてインターネット上の有料サイトに有料で広告などしておりました。

しかし、多くの相談者の方に来ていただけておりますので、最近は有料サイトでの広告は一時停止しております。

(今後、事務所を知ってもらうための広告は別にするかもしれませんが)

その時に当該有料サイト上に記載した、過去の経験事例について、こちらに何回かに分けて記載してみます。

なお、事例は、個人のプライバシーや当職の守秘義務を害しないように、内容に一部変更・修正がくわえられております。

また、一事例としての記載であって、全てこのような解決になるものではありません。あくまで参考例としてご覧ください。

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遺産を独り占めした親族からの回収を依頼された事件がありました。

遺産を親族の一人が取り込んでいるため、情報も不明というものです。

しかし、相続人であれば取得できる情報というものがいくつかあります。

また、弁護士であれば取得できる情報というものもあります。

そういう情報をアドバイスしながら、コツコツ調べて繋ぎ合わせていき、可能な限りの遺産情報を調査しました。

そして、それをもとに調停提起しました。

その後、相手からの残りの情報開示もあり、結果的に遺産のうちの相続分の回収が出来ました。

実際に、ご実家が遠方などですと、財産の確認が難しいことはよくあります。

ただ、それでもある程度の金額があるであろうことまで想定できれば、費用をかけても弁護士を使えば回収できることもあります。

まずはご相談されるのがよいかと思います。

相続の相談なら

平成29年5月の民法改正 

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今年の5月に民法が改正されました。

ちょっと前の話ですが、ちょくちょく空き時間を見つけては、新しい民法の勉強をしております。

施行は成立から3年以内らしいです。

3年以内と言えば半年後でも3年以内ですが、実際には3年目くらいのころになる可能性が高いらしいので、それまでに理解できるように基本書を購入しております。

個別には、また、記載しようと思いますが、保証契約の要件などに変動が出たらしいですね。

あとは、これまでの判例で積み重なってきたものに合わせて文言の変更などが行われたようです。

例えば、錯誤は現行民法の条文は「無効」とされていますが、判例解釈で「取消」に近いものとされており、このため「取消的無効」などとされていましたが、改正後は単純に「取消」うる行為とされるようです。

改正点には、このように、これまでの判例解釈を踏襲しているところも多いですが、社会的に問題になっている事情に対処するために、新しい要件が加えられているようなものもあります。

これから少しずつ勉強を進めて、また気になるところはこのブログで、逐一、記載していきたいと思います。

あさがお法律事務所

遺言の作成と執行について

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意思はあるが、高齢で動けない人のもとに、全くご本人は信仰してない近隣の宗教団体が、日々、寄付に押しかけ、財産がとられそうという相談がありました。

親族も交えて、話を聞いたところ、強引に遺言まで作成させられたとのことです。

そして、その遺言を撤回したいとの話でした。

当職が出張しご本人の意向を確認。遺言のひな型を作成し、ご本人に確認してもらい、その後、公証人に出張してもらい過去の遺言を取り消し、公正証書遺言を新たに作成しなおしました。

亡くなった後の財産移転の不安もあったので、遺言執行者に当職が就任。

無事に親族に、遺言通りのお金を渡せました。

亡くなった後に、宗教団体が押し掛けるなど、ひと悶着があったようですが、遺族の方が「弁護士が入って、間違いない遺言はあるし、弁護士が執行している」というと帰っていったようです(後日、遺族の方から聞きました)。

遺言は、その方の最後の意思です。

間違いのない意思を残し、それを執行するのに、公正証書の遺言作成や弁護士執行人の選任を進めております。

もっとも、執行人にはそれなりの費用がかかります。何らかの紛争の恐れが低いのに、付けることをアドバイスすると無駄に費用をかけることになるリスクもあります。

事情に応じて、執行人が不要であったり、身内が執行人についても解決できるという場合は、それを勧めます。

私どもでは、事案に応じて執行人が付かない場合のリスクの大小と予測できる執行の費用も説明しますので、それを聞かれてから、検討されるのが良いでしょう。

あさがお法律事務所

個人の相談なら

相続の相談事例(相続財産管理人)

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かつてインターネット上の有料サイトに有料で広告などしておりました。

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その時に当該有料サイト上に記載した、過去の経験事例について、こちらに何回かに分けて記載してみます。

なお、事例は、個人のプライバシーや当職の守秘義務を害しないように、内容に一部変更・修正がくわえられております。

また、一事例としての記載であって、全てこのような解決になるものではありません。あくまで参考例としてご覧ください。

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亡くなった人がそれなりに価値のある車(実際には他にも資産があったのですが、単純化しております)を持っていたという事例がありました。

いろいろな事情があって、すべての相続人は相続放棄したのですが、亡くなった人が持っていた車はそのままになりました。

相続人は相続放棄しているので処分ができず、車を置いたままの駐車場のオーナーは困ってしまい・・・ということがありました。

当事務所に相談がありましたので、裁判所に、相続財産管理人を申立てました。

そして、私が相続財産管理人に就任しました。

相続財産管理人として財産を調査し、車を処分し、債権者に配当し、そして清算いたしました。

相続放棄しても、管理責任は残ります。車や家などは形があるものとして残ってしまいます。

このために、相続放棄しても実質上、そのまま放置するわけにはいかないことはあります。

そういう場合は、相続財産管理人による処理が検討できます。

若干、手間と費用は掛かりますが、相続財産管理人を選任し、残った相続財産をきれいにすることで、相続放棄後、将来に憂いを残さないことが可能です。

あさがお法律事務所

相続の相談事例

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なお、事例は、個人のプライバシーや当職の守秘義務を害しないように、内容に一部変更・修正がくわえられております。

また、一事例としての記載であって、全てこのような解決になるものではありません。あくまで参考例としてご覧ください。

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人によっては、悪気はなく、長男が全財産を相続するのが当然と考えておられる方がいます。あるいは、子らに渡す必要くらいはわかっていても、ある子が亡くなっている際に、その子(孫)にまで渡す必要はないと考えている人がいます。

相続人に2人の息子がいたが次男が亡くなっている事例で、被相続人である母の相続財産を長男が全財産をとって渡してくれないとの相談が、次男の子からありました。

当職が依頼を受け、長男に法律を示して、相続財産の分割の必要性や訴訟や調停まですることなく解決したいことを説得、ご納得頂き、了解してもらいました。

不動産がありましたので、不動産と預貯金を合わせて清算、長男から当該財産分を現金で譲ってもらい、解決しました。

このように、悪気がなく、昔からの慣習が正しいと信じきっている方は、しばしばおられます。

そのような場合、法律の規定と分けなければならないのだということ、分け方の配慮をすること、誠実に説得することで、大きな裁判にすることなく解決することがあります。

相続については、こじれるとかなり長期化しますし、裁判費用で相続財産自体、食いつぶすことにもなりかねません。

このような事例で、本来の金額より多く財産をとろうと策を弄すると、先方が弁護士に相談した際(あるいはネットの記載などを見て)、それが発覚し信用を失い、かえって相続関係が混乱することもあります。

(余談ですが、別の事例で、策を弄して、法的には認められない権利を振りかざしたために数年間相続が止まってしまっていた事例に、途中から介入し正直に事実を説明し、すぐに解決できたことがあります)

誠実に、正しい権利、分割に基づいて、話し合うのが一番です。

例の事案は、裁判にすることなく、半年でスムーズに解決できました。

あさがお法律事務所

相続の相談なら

労働問題の視点

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毎日10時間労働とか、14時間労働で、体を壊してという話を、しばしば聞きます。

労働基準法違反は、社会にしばしば見られますが、重大な違法で許されるものではありません。

ただ、弁護士や経営者の人は、1日10時間以上働いている人は珍しくありません。

社会人でなくても、1日学校とクラブ活動で10時間以上動いている学生の人もいるでしょう。

自営業なら、週休1日で活動している人もいるでしょう。

それでも心身を壊さないのは、使用者に雇われる労働者と、自分の意思で独立して活動をする人とは、その業務から受ける心身の苦痛に、性質の違う側面があるからではないかと思います。

労働問題を問題にするとき、単に時間の長短を問題に語ることがありますが、それだけでは解決できない問題があるのでは無いかと考えております。

労働基準法の改正がしばしば話題に上りますが、単に時間や休日の数だけではない、その労働自体の苦痛の度合いのようなものを考慮する視点も必要ではないかと思います。

あさがお法律事務所