作成者別アーカイブ: akitomo okada

証拠と指示と

法律相談の中で、いろいろ事情を聞いて証拠が足りないと思うことはよくあります。

相談者の方は、いろいろ検討の上、「納得いかない」と考えて法律相談にまで来られているわけですから、全く話にならないということは少なく、おっしゃっていることは理解できることが多いです。

しかし、証拠が足りないので、このままでは訴訟できないということはよくあります。

そこで、私は証拠集めのために、いろいろと指示を出します。

法律相談に、わざわざ来ていただいた以上、何らかの方針は示したいと考えて、いろいろな証拠確保の方向性を示します。

それで、せっかく指示をいろいろしても、結局対応していただけない方がいるとき、残念に思うことがあります。

例えば「録音してください」という指示するときは、過去の類似事案から考えて、会話の中では事実を認めるが、「書面に印を押してくれ」と言われれば「できない」というであろうと予測できるときです。

それなのに独自の判断で、「あれほど認めると言っていたからきっと、録音までしなくても書面に押印を貰えるだろう」と思って話し合いに行き、結局印鑑は押して貰えず「印をもらえると思ったから録音してなかった」となることがあります。

また、他にしばしばあるのは、「やっても相手は対応しないし、無駄だと思ったのでやりませんでした。」という一言です。

事案によっては、私も「これは期待する証拠を相手が出すことはないな」と思いながら、「やってみてください」とアドバイスしていることはあります。

それは「やってみて、相手が対応を拒否しても、その拒否自体やあるいは駄目もとでも請求していることが有利な証拠に使える」と考えてのアドバイスです。

ですので、やっても相手は対応しないことも想定した上で、あえて指示しているのに、それで独自の判断で対応していただけなければ、がっかりします。

私としても、法律相談で長く話を聞いて、相談者の方と一緒に悩んでいるときなどは、相当に相談者の方に気持ちが入ってます。

相談者の方と同じように悩んでいろいろ検討して指示を出しております。

そのため指示した証拠確保に失敗すると、自分のことのように残念に思います。

私は、相談者の方側に強く迫ったり、命令口調で話すことはありません。

しかし、専門家として一生懸命考えて指示はしております。

そこは信用していただいて、対応していただければと思います。

あさがお法律事務所

市役所や法テラスの法律相談と誤解

以前もこのブログに記載しましたが、市役所の法律相談とか、法テラスの法律相談とか、国選弁護士への相談には誤解があるような気がします。

それは、弁護士が嫌々やっているとか、いい加減に処理しているというものです。

そのようなことはありません。

各制度ともに、名簿に登録した弁護士が持ち回りで対応します。

私も、国選弁護士の名簿にこそ登録していませんが、それ以外の市役所や法テラスについては登録しており、年に数回ですが、順番が回ってきます。

別に無償ではなく、相談者の方は無料ですが、私どもは数万円の報酬は頂いております。

弁護士という職責もありますし、皆さん真剣に相談に対応していると思います。

そもそも、対応が嫌ならば、名簿に載せなければよいだけですし。

年に数回しか担当日は来ませんし、それで食べていけるわけがないですから、仕事のない弁護士が登録しているというのもデマです。

真剣にやっていても誤解が生まれるのは以下の事情からでしょう。

① まず、それなりの割合で、専門外の質問が来ます。

事務所への相談予約の場合は、予約のお電話の段階で、「その分野は取り扱ってません」とお断ります。

ところが法テラスや市役所の相談では、事前にそのようなお話はできません。

担当の弁護士としては当日相談者の方が来て初めて、専門外で回答できないとわかります。

そうなるとある程度の一般論と概要は答えれても、それ以上の回答はできません。

② 次に、市役所も法テラスも、事務所と違い、その弁護士が使い慣れた書籍や資料が置いてあるわけではありません。

「調べればすぐわかる」という問い合わせでも、その調べるための書籍が手元になく、「ちょっと、今すぐは回答できません」と言わざるを得ないこともあります。

あるいは書式のひな型を見せてあげれば、すぐわかるという事案でも、その書式を示してあげることができません。

③ さらに相談時間の時間制限が20分から30分で厳格です。

ちょっとややこしい事案でしたら、事案の概要を聞いて事実確認をした時点で、相談時間が終わってしまいます。

そうすると回答ができませんので、弁護士としては回答を短くするか、相談者の方の説明中に話をさえぎって回答を始めるしかありません。

これでは十分な回答はできません。

④ 相談者の方に証拠をもってきてもらわなければ話が進まないということがあります。

事務所での相談でしたら、「では次回に、この証拠をお持ちください」と指示し、持ってきてもらい説明を進めることができます。

しかし、法テラスや市役所ですと、「では次回に、この証拠をお持ちください」と指示しても、持ってくるときには担当の弁護士が変わっています。

そうすると、説明は一からやり直さなければなりませんし、指示した証拠をどう検討するかで、前の弁護士と見解や方針に違いが生じてしまう場合もあります。

市役所や法テラスの法律相談は無料です。

事案の解決のためのスタートの時点の相談としては有用と思います。

しかし、上記のように限界があることも理解の上での利用が良いでしょう。

しばしば、無料の相談ができるところをあちこち廻って、結局、解決できずに時間と手間だけかけて解決できないと誤解されている人がいます。

あさがお法律事務所

尋問の打ち合わせ

尋問というのは、各証人や当事者の証言を裁判所で得て、証拠化するものです。

この前提として打ち合わせするのですが、そこで、何をどの程度打ち合わせるかは難しい時があります。

一字一句、指導して、文言を考えてほしいと言われたことがあります。

しかし、これはできません。

当事者の証言を、弁護士が作出することは、証拠を弁護士が作出することになりかねません。

尋問は、あくまで、ご本人が事実をそのまま語ることに意味があるのであり、弁護士の創作を語ってもらうようなことは、法曹倫理上避けるべきだと思います。

とは言っても、全く何の説明も無し、何もしないのでは、尋問において弁護士を依頼している意味がないことになります。

そこで、私どもでは、尋問の手続や順番などの説明、尋問でのおおよその方針や尋問事項の確認、相手のこれまでの主張の中で依頼者の視点からおかしいと感じるところはないかの確認などを行うことにしております。

なお、時折、裁判所の待合で大声で、尋問事項を打ち合わせている弁護士と依頼者がいます。

内容が丸聞こえで、「大丈夫かな」と他人事ながら気になることがあります。

裁判の相手方が居ないかの確認くらいはしているのでしょうが、お手洗いに通りかかる可能性もあれば、たまたま聞いた人が相手の弁護士と知り合いというリスクも・・・。

あさがお法律事務所

弁護士とキャラ

弁護士にもいろんなキャラクターの人がいます。

テレビだと、どうもステレオタイプなキャラクターが多いように思いますが、実際には、本当に人それぞれです。

そして、そのキャラクターに合わせて、自分に合う弁護士を依頼することが良い紛争解決につながると思います。

キャラクターの違いはメリットにもデメリットにもなります。

例えば、話しやすい弁護士だと依頼者の方は相談しやすいですし、交渉相手も腹を割って話をしてくれたりということがあり、交渉がうまく進むことがあります。

逆に、話しにくいが威厳がある弁護士だと、交渉に当たってもその発言に説得力が出ますし、相談者の方も安心感が持てるというメリットがあります。

強気な弁護士は相手に強い主張ができますし、弱気な弁護士は万が一の場合にも備えた念には念を入れた対策を取ります。

仕事が丁寧な弁護士もいれば、迅速な弁護士もいます。

いろんな弁護士がいる中、やはり自分に合った信頼できる弁護士を依頼することが必要でしょう。

弁護士は、依頼を受ければ、その人やその会社の代わりに、主張し交渉していきます。

あなたと様々な事項を打ち合わせますし、長い時間かけて対応していきます。

ですので、自分に合うと思える、自然に話しやすい仕事を任せることができる弁護士を探すことは大変、重要です。

弁護士は医師などに比べると、専門分野があると言っても柔軟で、比較的広い分野に対応できる人が多い(離婚、破産、事故、金銭回収などは、ある程度は、どの弁護士でもできます)ですから、猶更、自分に合うかの面からの検討が重要になります。

あさがお法律事務所

歴史上の人物の裏側・・・。

ネットサーフィンしていて、歴史上の人物の裏側を書いた記事を読みました。

大物というイメージがあるが、実は心が狭かったとか

誠実そうなイメージがあるが、誠実でなかったとか

まあ、実際に生きている人間なわけなので、そういう面もあるのでしょうね。

長所ばっかりという人間はいないですし。

人間である以上、ファンタジーのように立派なことはあり得ないと思います。

ただ、歴史に名を遺した立派な人というのは、欠点はほかの人と同じようにありながら、それでも一生懸命に生きてきた人なんだろうと思います。

歴史に名を残してなくても、一生懸命、一つのことに打ち込むということは、素晴らしいことだと思います。

そして、欠点はあるにしても、人の評価はそこに集まるんだと思います。

自分は一生懸命、自分のすべき仕事に打ち込めているだろうか・・・・。

ネットサーフィンをしながら、ふと、そういうことを思いました。

あさがお法律事務所

相続の際の各機関

相続の際、各機関ごとに残っている資産や過去の取引状況を確認します。

銀行、証券会社、保険会社など・・・

で、各機関に問い合わせるのですが、これが機関ごとに対応が異なり困惑することがあります。

委任状と相続関係を示す戸籍が必要なのは全機関共通ですが、それ以外の書面や手続きに相当に差があります。

驚くのは、同じ銀行でも支店や担当者によって違ったりすることです。

これは、結局は担当者の方が相続処理に慣れておらず、その上司もよくわかっておらず、混乱の中で処理されることが理由であることが多いです。

特に弁護士が介入するときはイレギュラーな時も多いですし。

このために、相続の調査時は、ある担当者でも問題なかった書式が別の担当者で受付を拒否されたり、ある機関では郵送で提出する書類が他の機関では窓口に提出に行かなければなかったりします。

そのたびに私どもも困惑しますし、依頼者にもご迷惑をおかけしてしまいます。

おそらく担当してくれる各機関の方も専門外の業務で困っていると思います。

今後、今の高齢者の方がさらに年を取れば、相続処理は、どんどん増えていくでしょう。

場合によっては債務整理より増えるかもしれません。

自己破産などの場合は、どの機関でも定型的な書式で、定型的にスムーズに処理されます。

当事務所は、債務整理と相続を多く取り扱う事務所ですが、開示をお願いする書面は、ほぼ同じもの(借財の証明や過去の取引履歴)なのに、両方の手続きのスムーズさに顕著な差が感じられます。

一方は亡くなっている人の手続きと言っても、死亡と相続は戸籍関係でわかるはずですし。

自己破産などと同じように、各機関としても、ある程度、各支店に専門の担当者の方を置いて、スムーズに処理できる体制を整えていただければありがたいです。

(一応の担当がいるところもありますが、債務整理関係の担当者と比較すれば対応のスムーズさに相当の差があります。)

また、弁護士会としても、ある程度、各機関と協議して定型的な対応方針を定めていただければ助かるのになあと思います。

あさがお法律事務所

今津駅から「あさがお法律事務所」までの行き方

阪神今津駅下車します。改札は一つです。

改札出ます。

阪急電車乗り換え通路(改札からまっすぐ)方向に10メートル歩いて、右向きます。


右を向いたら正面にある階段まで歩くと目の前に見えます。

早朝なので暗いですが、赤丸部分です。

なお、阪急電車からですと、逆に阪神電車に向かって乗り換え連絡通路を歩いてきて(1本道です)、阪神電車の改札の10メートル手前を左を向けば、同じ場所に出ます。

あさがお法律事務所の事務所案内

書籍の引用

先日、友人が事務所に相談に来ました。

その友人は、他の法律事務所も何件か廻って同じ相談しているということでしたので、「他の事務所の相談と当事務所の相談と比較して、忌憚のないところを教えてほしい」と聞きました。

それで、いろいろ教えてもらったのですが、その中で意外に思ったのが書籍の確認や引用です。

あくまで友人個人の印象で、一般論でどうかはわかりませんが、「書籍の確認や引用をせずに回答する弁護士の方が印象が良い」とのことでした。

私は、「いろんな書籍を確認して引用し、書籍を確認してもらいながら説明するほうがよい」と考えておりました。

ですので、些細な点はともかく、一定の重要なポイントは、事前に調べてわかっている内容でも、時には書物を依頼者に見せて説明しておりました。

そのほうが丁寧で、適切な対応かと思っていたのですが、それが頼りなく思えるというのは意外でした。

今後、どうするかは私自身検討中ですが、少なくとも、弁護士が考えてした対応と依頼者の方の受け止め方に差が生じることがあることはよくわかりました。

そういうことがある(こちらの意向と別の受け止め方がされることがある)前提で、今後も対応していこうとおもいます。

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依頼者の言いなり

相当の前のことなので、そろそろ書いてもいいかと思って書きますが、和解の交渉事例で「依頼者の言いなりか」と相手の弁護士に嫌味っぽく言われたことがあります。

(なお、以下はあくまで当職のスタンスを示したいだけで、その程度の嫌味を特に気にして反論したいわけではないです、念のため。)

私は、依頼者が何を言っても、虚偽主張はしません。

私は、依頼者が何を言っても、相手に脅しや侮辱になるような記載はしません。

私は、依頼者が何を言っても、それなりの根拠を示してくれなければ、対応はしません。

依頼者の方から、嘘をつくように求められたり、相手を脅すように求められたり、全くわずかな根拠もないことで相手を追及しろと言われれば、拒否し依頼を辞任します。

そういう意味では「依頼者の言いなり」に動くことはありません。

しかし、和解交渉や権利を行使するかの検討の場においては別です。

もちろん、裁判の見通しは告げます。

和解や権利行使についてのメリットとデメリット、予想される判決の幅や可能性の割合も告げます。

冷静さがないと思えば、日にちを置いての検討をしてもらいます。

判決後の事情や回収可能性なども説明します。

しかし、様々の情報を告げたうえで、「それを検討して、こうしたい」と言われれば、依頼者の権利についての話なんですから、そこは「依頼者の言いなり」に動きます。

それでも、「説得」して和解すべきという人もいますが、私はそうやって「説得」されて和解した人が、「前の弁護士に無理やり和解させられた」と泣きながら事務所に相談に来たことが何度かあります。

はっきり言います。

それは説得ではないです。それは紛争の解決ではないです。

味方であるはずの弁護士から言われて断り切れなかったり、弁護士の権威から判断に迷った依頼者の心情を利用した「やっつけ仕事」です。

あと一つ、そうやって本人の意向に深く配慮すると、「依頼者を説得できないのでは・・・」と言われることもありますが、それもありません。

私はこの人は信用できると思わないと依頼を受けないです。

依頼者にも契約の初めに「時間をおいて私と契約するかよく考えてください」と伝えて、1日以上は時間をおいてから契約してもらっています。

私と依頼者間で考え方に齟齬があると感じたときは、それを正直に話して委任契約を合意解約するかを話し合います。

ですので、依頼者とは深い信頼関係で結ばれていると思います。

感覚的にはなりますが和解の話が出たとき、7割くらいの依頼者の方からは「和解に応じるかは、先生が決めてください」と言われます。

そこまででなくても、おそらくは9割くらいの依頼者は「私が和解しましょう」といえば話を聞いてくれると思います。

しかし、ある権利を行使したりしなかったり、譲歩したり和解したりするのは、単にお金の損得や時間の損得だけでは測れないものがあります。

その人(会社)は社会的で活動しており、裁判もその人にとっては、社会における活動一つにすぎません。

その方の人生観や生き方もあります。会社なら営業方針や従業員、取引先との関係もあるでしょう。

裁判はその解決が有利でも、その解決姿勢が社会や取引先、株主に対しての会社の在り方で、マイナスに働くこともあります。

それは、弁護士が判断できるものではありませんし、そんな権限はありませんし、能力もありません。

ですので、依頼者に十分な資料、メリットデメリットをお伝えした後は、依頼者に判断していただく必要があります。

私はそういう姿勢で、仕事をしております。

ちなみにこう書いてますが、実際には訴外での交渉も入れれば、依頼の8割くらいは和解で終わります。

あさがお法律事務所

普通の感覚と弁護士費用

弁護士費用は、事件として依頼すると、普通、最低でも1件数十万円くらいからになります。

大きな取引が絡む高額な事件ですと数百万ということもあります。

書面作成や相続放棄など、比較的安価なものもありますが、それでも数万円です。

(なお、受任できる業務数には限界があり、いわゆる薄利多売の仕事の仕方ができませんので、費用が高くても大きな利益があるというわけではありません、念のため)

依頼者の方や相談者の方もある程度費用は覚悟されてこられていますが、それでも見積もりをお伝えするのに躊躇することがあります。

数十万円は大金というのが、ごく普通の感覚だと思いますし、その大金を見積もりとして伝えるのは躊躇します。

ただ、正直、多くの事件を扱い、日常的に見積もりを伝えるうちに、この感覚が薄れることがあります。

数十万円という大金をかけてまで、私に依頼してくれている。

そのことへの感謝の気持ちを忘れないように、と日々自戒しております。

あさがお法律事務所